今日、また1人消えました。
明日も、たぶん3人…。
これ、大げさな話じゃないんです。日本では毎年、9歳以下の子どもが1000人以上行方不明になっています。そしてその中には、何十年経っても見つかっていない子がいる。
日本では毎年、9歳以下の子どもが1000人以上行方不明になっています。そしてその中には、何十年経っても見つかっていない子がいる。
2026年、今年だけでも――
3月、京都。学校に送り届けられた11歳の男の子が、校舎にたどり着く前に消えました。
6月、鹿児島。温泉で家族と一緒にいた5歳の男の子が、目を離した数分の間に消えました。
「一瞬だった」。どの親も、そう言います。
なぜ子どもは消えるのか。なぜ見つからないのか。そして、なぜこの国の仕組みはそれを止められないのか。今日はここまで踏み込みます。
最後には、この問題の「本当の怖さ」がどこにあるのか、はっきり見えてくるはずです。途中で関連する事件が複数出てきますが、全部つながっています。最後まで観てから、もう一度考えてみてください。
☆ 8万人が消える国
毎年、日本の警察には約8万件の行方不明届が出されています。ちょっとした地方都市がまるごと1つ消えるのと同じ規模です。
大半は数日以内に見つかります。認知症のお年寄りが保護されたり、家出した10代の子が自分から帰ってきたり。届け出の8割は、1週間以内に解決する。
でも裏を返せば、2割は1週間では解決しないということです。8万人の2割。1万6000人。この人たちは1週間経っても、どこにいるかわからない。
そして最も深刻なのが、9歳以下の子ども。この年齢層だけで、年間1000人から1200人。過去5年間、ずっとこの数字が続いています。9歳以下。自分の意思で家を出て、どこかで暮らすなんてできない年齢です。
原因として多いのは、親権争いに伴う連れ去りや、家庭内のトラブル。次に、川や山での事故。でも中には、原因すら特定できないまま、5年、10年と過ぎていくケースがある。
ここで知っておいてほしい数字がもう1つあります。1990年以降に届け出られた10歳未満の行方不明者のうち、少なくとも10人が2026年の今も見つかっていません。
10人。数字にすると小さく見えるかもしれません。でも考えてみてください。その子たちが消えたのは5年前じゃない。10年前でもない。30年以上前です。30年間、ずっと「行方不明」のまま。親は歳をとり、捜査の優先度は下がり、世間は忘れていく。でも、親だけは忘れない。忘れられるわけがない。
この「忘れられていく」ということが、行方不明という問題の、もう1つの残酷さです。