ガラシャという洗礼名について | 始めのはじめは一(ハジメ)なり

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先祖・家系調査の具体的な方法をご紹介します。
大好きな新選組隊士・斎藤一を調べていたら
自分の先祖に関係があった!
そして知った先祖とは、なんと明智光秀だった!
そこから広がる史実と閨閥の世界。

気が付いたら二週間更新してませんでした。
ブログランキングは圏外に転げ落ちるかと

おもいきや、20位あたりで踏みとどまっていて

ちょっと驚いています。
これもポチッとボタンを押してくださるみなさんの
お陰です。ありがとうございます。




日付が変わってしまいましたが、七月十七日

(慶長五年)は細川ガラシャの命日です。



細川ガラシャ


この名前は実は正しい呼び方ではありません。
彼女の本名は明智玉/珠(子)です。
細川ガラシャという名は明治時代のキリシタンたちが
そう呼んだことから広まった名前らしいのです。



ガラシャという洗礼名は、戦国当時きわめてまれな

名でした。
この名は彼女の本名である玉/珠(子)に由来して

いると考えられます。

玉/珠というのは貴重な物の意であり、音が通じて

いることから「賜物たまもの」という意味もあります。


ガラシャという名はラテン語のgratiaグラティア
(神の恩寵/恩恵)に由来しますが、これは彼女の

本名を意訳した名前なのです。




ラテン語のgratiaは、もとはギリシャ語のcharis

カリス(神の愛と慈悲)という言葉から

来ているそうです。
カリスからgratiaに変化し、そこから各国語での
呼び方に分かれていきました。



玉/珠子の洗礼名はgratiaがスペイン語に変化した
graciaグラシアではないかという説があります。
彼女に関するポルトガル語で書かれた資料にも
スペイン語のグラシアで記されているそうですので、
おそらくスペイン語で名づけられたというのが

正解なのでしょう。


原語により発音は違いますが、graciaもラテン語の

gratiaから変化した言葉なので、意味としては当然

「恩寵」という同じ意味を持っています。



gratiaはイタリア語でgraziaグラツィア、

ポルトガル語のgracaグラッサ、
フランス語のgraceグラースになり、フランス語が
英語圏に入ってgraceグレイスになりました。
英語のGraceも女性名として使われます。
元女優でモナコ王妃となったグレース・ケリーが
有名ですね。
スペイン語のgraciaの複数形graciasは

「ありがとう」の意味に使われます。

ガラシャは『細川家記』には伽羅奢(舎)という漢字が
あてられています。




イエズス会士のルイス・フロイスは著書『日本史』の

中で、ガラシャの周囲の者たち十六人が次々と

洗礼を受けていき、最後に残ったのがガラシャ

だったと述べています。



ガラシャは教会へおもむき受洗することを

望みましたが叶わなかったので、ガラシャの侍女が

司祭の代理となり、細川邸内で侍女から

洗礼を受けました。
侍女マリアに洗礼の儀式の方法を授けたのは、

司祭オルガンティーノだと推測されます。
「ガラシャ」という洗礼名を決めたのもおそらく
オルガンティーノだったのでしょう。




ガラシャとキリシタンとなった周囲の者たちとは、
みな洗礼名で呼び合い、キリスト教の教義を学んで
いました。
玉/珠子の洗礼名を付ける時、周囲の十六人と

かぶらないよう、同じ名前は避けなくては

なりません。
しかも最も重要な人物に付ける名です。
名づけには慎重さが要されました。



通常洗礼名は、聖人や殉教者の名から取られるもの

ですが、十六人もの名を付けた後ではそれらは

ほとんど使われてしまっています。
そこでオルガンティーノは玉/珠子という美しい

本名から洗礼名を付けることを思いついたのでは

ないか?と想像されます。



ガラシャとオルガンティーノは生前実際に

会ったことは一度もありませんでしたが、

オルガンティーノはガラシャの魂を導き続け、

禁教令が出た後もガラシャのために大坂の

近くである京都に留まり、ガラシャの死を

見届けました。





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