【右か左か】
人間の身体はおおむね「左右対称」になっています(内臓は対になってないものもある)。
私達の身体は真ん中を管が貫いたボールによく例えられます。
ホースの入り口は「口」で出口が「肛門」です。
人間の身体はこの口と肛門の管が最初に出来、そこから内臓等が枝分かれしていき、次第に右左均等の「左右対称」の身体になっていったと考えられています。
つまり、前(上)と後ろ(下)があるからこそ、右と左が存在する訳です。
私達が前へ進む理由は簡単で、じっとしていても食べ物は口の中に飛び込んできてはくれないからです(あらゆる動物は口を基準に動いている)。

「左右対称」とは言っても、身体には左右差があり、おのずと「利き手」「利き足」が生まれます。
人は「右利き」が圧倒的に多く、「左利き」は全体の10%程だと言われていて、面白い事にその割合は昔からずっと一定なんだそうです(しかもサウスポーは何故か男性の方が多い)。

普段はあまり意識しませんが、目にも「利き目」があります。
右利きの人は右利き目が多い(約75%)と言われていますが、目には手足ほどの左右差はないようです。

何故右利きが多いのかは、いまだ謎ですが、人の動き方に関係していると言う説もあります。
いわゆる「左回り(反時計回り)の法則」です。
陸上のトラック競技も野球のベースランも全て左回りに作られており、コンビニなどのお店も左回りしやすいよう商品が陳列されているそうです。
確かに右回り(時計回り)は動きづらいし違和感がありますよね。
左に回る時に外側にくる手足が利き手利き足になります。
外にくる事で動く際、自由な動きとパワーが必要とされるのです。
何故左回りなのかは、「重い肝臓が身体の右寄りにあってバランスをとる為に、やや左に重心が置かれている」や「地球の自転、公転が左回りだから左に回りやすい」など色々と考えられますが、右利きだから左回りなのか、左回りだから右利きなのかは、もはやコロンブスの卵です。

ちなみに自分に向かって物が飛んできた時、咄嗟に人は左に避けるのが圧倒的だそうです(左7割、右2割、後ろ1割)。
もし相手にパンチを当てたいのなら、左に動きながらジャブを出すのが得策のようですね。
咄嗟に物を避ける「反射」には「姿勢反射」と「屈曲反射」と言われるものが関係しています。
「姿勢反射」は別名「立ち直り反射」とも呼ばれ、体勢が崩れた時に瞬時に元に戻ろうとする反射です。
人はこの「立ち直り反射」が
あるが故に、無理な力が入り怪我が増えるのかも知れませんね。
「屈曲反射」とは手足の皮膚や筋肉が何らかの刺激を受けると、そこから遠ざけるように手足が曲がる反射です。
裸足で何かを踏んだ時や、手足をぶつけた時に思わず引っ込めたり持ち上げたりする反応です。

思考を伴う「反応」は脳を経由し、一刻も早く回避しなければならない「反射」は脳を通らずに脊髄が指令を出すので早いのです。
ちなみに神経信号は1秒で120mも進むそうです(新幹線は1秒に約70m)。
人の身体は小さいので一瞬ですね!
首から下はそれ程深く考えなくても生きていけそうですね。

しかし闘いにおいては、しっかりと意識する「反射神経」がものを言います。
「動体視力」や「集中力」それによく動く「柔らかい筋肉」が反射神経には必要です。
特に筋肉は使いすぎると硬くなるようなので、じゅうぶん休養を取る事が大事です。

ところで空手や格闘技は昔から サウスポー有利だと言われていますが、確かにサウスポーの方が勝率はいいようですね。
その理由は、まず相手がサウスポーとの戦いに慣れていない事があげられます。
また、構えた時にサウスポーの人は相手の前足をとる(相手の前足の外に自分の前足をもってくる)事で攻撃しやすくもなります。
総合格闘技のUFCではなんと2割近くがサウスポーだそうです。

空手の稽古は基本から型に至るまで、左右均等に鍛えます。
空手が全身運動と言われる所以ですね。
空手家が右構えでも左構えでも出来る人が多いのはそのお陰でもあります。
「両利き」になれば、まさに鬼に金棒ですね!
  
  
 『花咲く空手教室』











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