小川孔輔「マクドナルド失敗の本質」を読みました。

マクドナルドの少数株主としては気になるタイトルなので、図書館で借りて読んでみました。

マクドナルドは、昨年チキンナゲットの期限切れ鶏肉の使用が明らかになり、大打撃を受けましたが、実はその前から顧客数が減少しており、危機的な状況にありました。

この本を読んでみると、マクドナルドの従来のビジネスモデルが機能しなくなったのに、対処療法で対応しようとした経営者の怠慢が大きな原因であることがわかります。

著者によれば、マクドナルド失敗の原因は、

① マーケティングの失敗(経営の短期志向)
② サービスのトライアングルの崩壊(企業・顧客・従業員)
③ 画期的なイノベーションの不足

にあると結論づけています。

そして、マクドナルドを崩壊させた犯人は、

① 行き過ぎた米国の株主資本主義 ⇒ ヘッジファンドが犯人
② 短期的に収益を上げようとしたマネジメント ⇒ 経営者が犯人

です。

マクドナルド失敗の原因は、根深いところにあるので復活は簡単ではありませんが、従業員を大切にして(行き過ぎた株主資本主義の是正)、日本人経営者による日本食文化を取り入れた新商品開発(和食マック)等を推進していけば、光明が見えてきます。

なかなか参考になりますが、一点気になることが。

マクドナルドの比較対象としているモスバーガー、サブウェイについて、マクドナルド失敗の原因である①〜③はどのような状態だったのか、株主からの過大な要求はなかったのか、経営者は株主の要求に対してどのように対応したのか、という点が触れられていないので、今一つ説得力に欠けるのではないでしょうか。

もちろん、この点を補って余りある内容の本です。








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