保坂正康、半藤一利「そして、メディアは日本を戦争に導いた」を読みました。

この本は、昭和元年から昭和20年8月までの昭和史の20年間において、言論と出版の自由がいかにして強引に奪われてきたか、それが戦争に継る大きな原因となったかを両氏の対談形式で明らかにしています。

「いまなぜジャーナリズム論か」「戦争報道と商業主義」「テロと暴力賛美の歪み、その内側」「国際社会との亀裂の広がり」「国家の宣伝要員という役割」「暴力とジャーナリズム」「現在への問いかけ」について具体例を交えて分かりやすく説明されています。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言いますが、昭和初期から戦争までの言論、出版の自由への締め付けを見てみると、現在とよく似ていることが分かります。

特定秘密保護法案が成立して、武器輸出原則の緩和、集団的自衛権の憲法解釈の変更が実行しやすくなります。

この本で著者が述べていますが、どうも日本人は付和雷同しやすく、集団催眠にかかりやすい。

その結果として雪崩現象を起こしやすいという欠点があるそうです。

これは戦前だけのことではなく、例えば、松本サリン事件で河野さんを犯人扱いにして大騒ぎしたことが挙げられますね。

あれは、事件発生時に、警察当局が河野さんを容疑者として事情聴取をしたことから始まり、それを新聞、テレビ等のメディアが河野さんを犯人扱いして大きく報道し、国民の多くが河野さんを犯人と考えて、様々な嫌がらせをしましたね。

河野さんが冷静に対処したことは救いでしたが、あの事件報道と国民の対応を見ると、私たちは付和雷同しやすく、すぐに集団催眠にかかり、雪崩現象を起こして一方向に突き進んでいくようです。

私たちが付和雷同しやすく、簡単に集団催眠にかかりやすいということを自覚していれば、周りの人が大騒ぎしても冷静に判断できるでしょう。

間違っても戦争に突き進むようなことはしてはいけません。

そのためには、国民が正しい情報を知る必要があります。

また、メディアも権力に萎縮することなく、国民の知る権利に応えるような報道をすることが望まれます。

そのためには、特定秘密保護法案の影響を注視して、少しでもおかしなところがあれば廃案にするよう政府に要求することが必要です。

お任せ民主主義では、権力者の思うように操られます。

巨大与党を生み出した有権者の責任を果たさなければいけません。










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