土曜日朝のテレビで、「ブータンの特集」を放送していました。

ブータンは、20世紀半ばまで鎖国に近い状態で、最近まで旅行者の受け入れも制限されていました。
多くの国がGDP国内総生産など、経済成長を重視するなか、この国では「GNH ~Gross National Happiness~ 国民総幸福量」という独自の指標を使い、国民の「幸福」に重きを置いた生活が営まれています。

GNH・国民総幸福量を高めるためるには、4つのポイントがあるそうです。
それは、①独自の文化をどれだけ守っていけるか、②自然を破壊する開発を極力行わない、③健全な経済発展、④良い統治です。
ブータンの指導者、国民は、この4つのポイントを守るように努力しています。

このGNHで思い出すのは、昨年の秋に訪れたニュージーランドです。
ニュージーランドは、上記4つのポイントを大切にしています。
特に、「自然を破壊する開発を極力行わない」ことは、称賛に値します。
観光地へ向かう道路は、山肌に沿って作られており、安易にトンネルを掘るようなことはしていません。
そのため、観光地へ行くまでの時間が掛かりますが、自然環境保護の重要性を認識しているので、表立った不満は出ていません。
本当にニュージーランドは良い国です。

「GNHの満足=実現÷欲望」だそうです。
つまり、いかに多く実現しても、欲望が多くなれば、満足度が低下します。
何時まで経っても満足しない状態が続くことになります。
現在の日本に似ていますね。

これは、「知足」の考え方ですね。
知足という思想は、「老子」三十三章「足るを知るものは富む」に認められます。
「(もっているだけのもので)満足することを知るのが富んでいることである」というものです。

人は、昔からややもすれば欲が深く、モノを沢山ほしがり、次第に心が貧しくなり、その結果として不幸を背負うことになるのです。
モノが豊かであればあるほど、知足の心を持つことが難しくなると言われていますが、今の日本に必要なのは、この「知足」の考え方ではないでしょうか。


ブログランキングに参加しています。よろしければ、以下のURLから投票して下さい。
日記@BlogRanking