130年以上にわたって国が行ってきた郵政事業が1日に民営化され、民間企業の「日本郵政グループ」としての業務が始まりました。民営化によって、郵政事業は、持ち株会社の「日本郵政」の傘下に「郵便事業会社」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」「郵便局会社」の4社に分割されました。

郵政民営化を争点にした衆議院選挙で、高熱にうなされたように賛成票を投じ、政治家としての資質に問題があると思われる、何とかチルドレンを多数当選させてしまいました。

熱が冷めて冷静になってくると、問題点の大きさが明らかになってきました。
民営化法案の審議でも議論になっていた、地方の郵便サービスの低下です。
新聞の記事によると、「四十七都道府県の知事の約55%が、地元の郵便局の数が長期的にみて減少すると予想していることが、共同通信の全国知事アンケートで十六日、明らかになった。国営の日本郵政公社と異なり、民営郵政が効率経営を目指すことが背景にあるとみられ、多くの知事が、離島や過疎地などでのサービス低下懸念を表明したり、サービス維持を要請したりした。」そうです。

都会では、民営化により多様なサービスが受けられると言う利点がありますが、地方では、郵便局の減少により従来受けていたサービスが受けられなくなると言う、深刻な問題が予想されています。
特に、過疎高齢化の地方にとってはサービス低下の影響は深刻で、益々都会と地方の格差が拡大することになります。

個人的には、郵政民営化には賛成ですが、民営化に伴う問題点についての認識と具体的な対応策が不十分であったと思われます。
この原因の一つに、提案者と実行者が異なっていることが挙げられます。

7~8年前に企業でも経験したことですが、提案者と実行者が異なると、提案者は、実行可能か否かよりも見栄えの良い提案を採用します。
これに対して実行者は、机上の空論の提案を真剣に実行する気力に欠けるため、結局実行できないことになります。
そして、提案者と実行者が互いに責任の擦り合いをすることになるのです。

このような問題点を改善するために、企業では、提案者を実行段階まで参加させて、提案者と実行者との共同責任にするようになりました。
これにより、かなりの問題点は改善されました。

郵政民営化法案の立案責任者の一人は、役職を降りて議員となっており、他の一人は、議員を辞めて大学教授に復帰しています。
この人たちが、郵政民営化の責任をとることはないでしょう。
立案者が何らかの形で実行段階に関与して、実行の責任の一端を担う制度が必要だと思われます。

郵政民営化の弊害が改善され、良い方向に進むことを期待しています。



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