日経新聞のコラム「あすへの話題」に、小川誠子 棋士が「8月6日の対局」について書いていました。
8月6日は、広島に原爆が投下された日です。この日に広島で、囲碁の第三期本因坊戦の第二局が行われていました。橋本宇太郎本因坊に岩本七段が挑戦した本因坊戦です。
朝8時15分その瞬間を迎えました。「対局室の窓ガラスが粉々になり、障子と襖が倒れ、ひどい爆風で碁盤の上にうつ伏してしまった」そうです。驚くのはその後、荒れた部屋を片付け、「何がなんだか判らないが、とにかくこの打ち掛けの碁だけはすませましょう」と午後から対局を再開し打ち終えたそうです。
このときの両者の心境は私には計り知れません。最後まで仕事を全うしようという気持ちが強かったのか、それとも他の理由があったのか、何れにしても尋常ではありません。皆さんはどのような感想をもたれるのでしょうか。
このコラムの最後に、岩本七段の言葉が紹介されていました。
「人生は五持つがあれば幸せ。一つ、健康をたもつ。目的、友人、趣味、そしてお金を持つ、少々ね」この言葉は共感できます。