特許との係わり第2回目は、知的財産部門マネジャーとしての係わりです。
知的財産部門へ異動し、プレーイングマネジャーとしてある技術部門を担当することになりました。当時の部下は3名で、私より若いが、いずれも特許業務経験10年以上のベテランです。当時の私は、部下を指導するのに十分な法律知識も経験もなく、部下の言いなり状態でした。これではいけないと考え、当時の知的財産部長(先日のブログに書きました、現在ある特許事務所の所長さんです)に相談したところ、弁理士受験機関の講座を受講すると効率的な勉強ができるというアドバイスをいただきました。
そこで、早速受験期間Wの基礎講座を受講することにしました。フレックス勤務を活用し、毎週木曜日18時~21時まで高田馬場の教室に通いました。この頃の私は、業務遂行に必要な知識を獲得することが目的で勉強しており、弁理士試験を受験することは考えておりませんでした。
基礎講座が終了し、特許法の知識もある程度付き、知財業務経験も積んで、なんとか業務がこなせる状態になっていました。しかし、依然として部下を指導する知識が不足していること、特許法の知識だけでは知識のバランスが悪いと考え、中央大学の法学部(通信教育課程)で法律の基礎を勉強することにしました。
2年間で卒業できるところ、数年オーバーしてしまいましたが、法律全般について基礎的な知識を獲得でき、いわゆるリーガルマインドを学ぶことができた点で非常に有意義な数年間でした。
卒業論文のテーマは、「特許侵害訴訟における特許無効の抗弁」です。富士通VS.TI訴訟の東京高裁判決で特許無効による権利濫用の抗弁が認められたことが話題になっていましたので、上記のテーマにしたものです。
卒業論文の面接審査の審査官はS教授で、かなりするどい質問をされたことを覚えています。審査終了後にS教授から、大学院で勉強する気持ちがあるならば連絡しなさいと、名刺をいただきました。
S教授との出会いが大学院進学の動機付けとなり、卒業論文のテーマと大学院での授業が関係してくるという不思議な関係になっていきます。