これまでの日本の製造業の特徴 過去と現在そして未来 | 中国・アジアで品質・納期を厳守し、コストダウンで利益アップ!!

中国・アジアで品質・納期を厳守し、コストダウンで利益アップ!!

海外でものを作る、海外のものを買う、といったときによく発生するトラブルに品質問題と納期遅延があります。
受注生産であるプラント業界のプロが、その品質問題と納期遅延の本質に迫り、実践的な対応方法についてあなたとともに考えます。

これまで日本の製造業が世界一の力を持ち続けたのは、いろんな理由があると思います。

そのひとつに、日本人の仕事の仕方があります。

日本では担当は係長の、係長は課長の、課長は部長のレベルまでの業務を把握して仕事をする習慣がありました。それで職務明細書にて自分の仕事を明確に定義しなくても、会社内での抜けが無かった訳です。

プラントの製造品は通常1社で完結する事は少なく、設計~材料調達~溶接~機械加工~組立~塗装~検査と数社をまたがって作られます。
その際に、その地域の産業集積内で技術の蓄積がなされ、それぞれの担当する会社が、暗黙のうちにその技術で対応していました。

言い換えれば、1社にそのすべての技術は無くとも、数社がまとまってその技術を補完しあって、その品質が確保できるという事です。まさに産業集積が同じ会社のごとく機能していた訳です。

ところが、昭和の終わり頃からその状況に変化が訪れます。

景気の後退から新人の投入が減り、業界の縮小・撤退とともに後継者難がやってきます。

その結果、昔と同じ図面で材料を購入しても、従来と同じパフォーマンスが出ないという現象が出てきました。

実例を一つあげます。

約1000度の真っ赤に焼けた石炭を運ぶ容器の内部には、特殊な高クロム鋳鉄が使われます。従来と同じ図面と仕様書で従来と同じメーカーに発注したところ、使用開始後早々に剥離が起こり、全数取り替えとなりました。

原因は、設計の図面と仕様書にない改善が材料メーカーにて以前からなされており、具体的には仕様書に無い元素を微量加えていたのでした。それを設計者も材料を製造した会社の担当者以外も誰も知らなかったのです。

そしてその担当者が既に退社しており、そのノウハウが使われなかったのです。

現在の日本の製造業はこの例のごとく、技術伝承が十分出来ていないことがあるという事です。

そのような図面と購入仕様書で、もっと技術が低く、経験も無い海外からものを買おうとしているのです。

だから私は、海外の品質が悪く、その手直しなどで納期遅延が起こったりするのは、発注側の責任だと言い続けている訳です。

つまり、図面やその他の要求事項に必要な事の記述漏れがあるという事です。

多くの製造業の方々は既にこの事実に気がついて、図面・仕様書・製造要領の標準化、充実化に動いています。

また、海外の会社を管理。指導する管理要員の確保も、経験者が枯渇する今、大きな課題です。

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