先般お知らせした事情で、かなり間が開いてしまいました。

ようやく、タイトルの本題に入っていきます。

ちなみに、本日は瓜兄(息子)の学校の1学期期末考査において、「幾何」が実施されているようです。

過去記事は、こちら↓

 

 

 

 

数学的な考え方

 

前回で、上図のような例示を先に示して、それぞれ特定された状態を作った上で、計算をさせるのが、算数である…と瓜兄に説明しました。

 

それに対して、文章で書いてある内容を、“一般化”してどんな場合でも成り立つ状態を想起することが、数学である…とも説明しました。

 

ですが…残念ながら、まだ腑に落ちないようです。

 

なので、ここは、一旦図形を離れてもらいます。
(瓜兄は中学受験算数において、図形問題は得意でした。なので、まだ頭がそれを引きずっているのだと思います。)

 

にっこり 「じゃぁさ、“奇数”って何?」

不満 「馬鹿にしてるの? 1, 3, 5, 7, 9, 11, …」

真顔 「うん、そうなんだけどね。それが算数の域を出ていない証拠なんだよ。」

凝視 「具体的な数値を挙げたら、きりがないでしょ。」

怒り 「え? じゃぁ、“偶数から1を引いた数”とか?」

ニコニコ 「そう! それを式で表現してみてよ。」

ぐすん 「え~と… 2x-1 ってこと?」

にっこり 「う~ん、間違いってわけではないんだけど…奇数は整数を言うから、ここで使用する文字は整数を意味する"n"が適当だね。」

不満 「じゃぁ、『奇数= 2n-1』ってこと?」

物申す 「そう! これが、一般化であり、数学的な考え方だよ。」

 

 

算数と数学の基本的な違い

ここまでの話で、ほぼ答えは出ているんですが…端的な違いを記しておきます。

 

算数 = 具体的な状態に対する数字の操作をする教科

 

数学 = 算数の考え方を土台として、抽象化・一般化した
   内容を、論理的に考える教科

 

このようになります。具体的な数字の操作だけで良かったのは、算数までの話で、数学になると、式を立てることや仮定→根拠→結論などの証明することが大事になってくる。

 

小学生の算数では…
 ・ 具体的な数字を扱い
 ・ パターンを覚えて応用し
 ・ 実際に手を動かして答えを導く
 

  という「操作中心の思考」

 

中学生の数学では…
 ・ 「なぜそうなるのか」を説明・一般化する力
 ・ 文字や記号で抽象的に考える力
 ・ 具体例ではなく「すべての場合」に通用する考え

  といった「抽象化・論理化の思考」

 

が、それぞれ主に求めらる中心の思考になるのです。

 

 

次回予告

数学について、少しは解った瓜兄だが、それを「幾何」の公理や定理の証明につなげることができるのか?

次回、『算数』と『数学』の違い ④。素人(父)の説明は、吉と出るのか凶と出るのか? 今は誰もまだ、わからない。

MikeNeko

<連載に少し時間が空いたので、再掲>

瓜兄(息子)の中間考査の結果をきっかけとして書き出した、この“『算数』と『数学』の違い”シリーズ。第二弾をお届けします。

第一弾は↓

 

 

 

『数学』をやっているよ!

とうとう瓜兄の学習内容に首を突っ込んでしまった私…白紙だった「幾何」の授業プリントを見て、そして、「なんで図を書いてくれないの?」と言った瓜兄の言葉から、『これが理由か!』と瓜兄の頭の中が、イメージできたような気がしたのでした。

 

凝視「…おまえ、『算数的な考え方』でやろうとしてない?」

 

驚き「…は? どういうこと?」

 

物申す「小学校7年生として、算数をやっていないか? って言ってるんだけど…」(あ、余計な一言をまた言っちゃった。無気力)

 

怒り「中学生だし、ちゃんと『数学』をやっているよ!!』

 

…失敗です。このまま30分ほど、怒鳴り合いの喧嘩になっちゃいました。orz

 

【閑話休題】

(とりあえず、お互い少しクールダウンした後) なぜ、私がわざわざ『算数』と言ったのかを、説明しました。

 

平行線公理

さて、もともとの話に戻ります。瓜兄が授業で白紙だった、「幾何」のプリントには、横方向B4紙の左上1/4に、以下のことが書いてありました。

 

 

<公理Ⅲ>
 2直線l,mが直線nと異なる点で交わるとき,
  同側内角の和が2∠Rに等しくないならばlと
 mは同側内角の和が2∠Rより小さい側におい
 て交わる。

※ 私の知っているユークリッド幾何学においては、平行線公理は第5公準だったのですが、瓜兄の持っているプリントには、公理Ⅲと書かれていました。

 

平行線公理(公理Ⅲ)は次の(1), (2), (3)とそれぞれ同値である。
(1) 2直線l,mが直線nと異なる点で交わる時、
  l//mならば錯覚は等しい。
(2) 直線lとl上にない点Aについて, Aを通りlに
  平行な直線はただ1つだけ存在する。
(3) 三角形の3つの内角の和は2∠Rである。

 

…なんのこっちゃ? って思っている方、ぜひここから、ちょっとじっくり一緒にやっていきましょうか?

 

実は、な~んてことのない、当たり前の話をしているだけなんですよ。

上記<公理Ⅲ>の平行線公理に書かれている文章を、そのまま図に描くと…下図のようになります。

 

ここで言う「同側内角」とは、上図の角a+角b もしくは
角c+角d のことを言っているので、このa+b や c+dが2∠R(=180°)ではないのであれば、それは直線l, mは平行ではないということです。なので、直線l, mは、2∠Rより小さくなる同側内角の側で…つまり、上図のa, bの側で交わるんです。

 

瓜兄にも、「どちらかと言うと、“国語”の問題です。」と言って、<公理Ⅲ>に書いてある条件のとおりに、瓜兄の理解のままで構わないので、図を描いてもらったところ、瓜兄も上図を自分で描けました。すると…

 

不満「図が描けたし、図に描いたら当たり前のことを言ってるのは解るよ。」

怒り「でも、なんでこの図を先に描いていてくれないんだよ!」

 

出ました! これが、典型的な「算数」の考え方なんです。

 

真顔「だーかーらー、この図が描いてあったら、a=60°, b=80°ぐらいの交わり方をしている特定の状態にイメージが固定されるでしょ!」

物申す「その特定の状態を明示して、計算をさせるのが、「算数」の考え方なんだって! つまり、そのような特定の状態が図示されるのが当たり前だったのが、「算数」なんだよ。」

 

驚き「え? じゃぁ、「数学」の考え方は何なのさ!?」

 

凝視「そう、それが貴方に足りなかったことなのよ。」

つづく

 

次回予告

ようやく「数学」のスタートラインに立つ準備ができた瓜兄、このまま順調に「数学」の世界へ足を踏み入れられるのか?

次回、『算数』と『数学』の違い ③。素人(父)が首を突っ込んだ結果は、吉と出るのか凶と出るのか? 今は誰もまだ、わからない。

MikeNeko

<ちょっと連載に時間が空いたので、再掲>

瓜兄(息子)の中間考査ネタで、少し深掘りしてみます。

 

 

 

偏差値30台の元凶

瓜兄が通う中高一貫進学校の最初の中間考査は、7科目で実施されました。その7科目とは…以下のとおりです。

 

数学① / 数学② / 幾何 / 国語① / 国語② / 英語 / 生物

 

…親としては、ツッコミどころ満載なんですが…(例えば、社会が1科目もないのはなんで? とか、理科も生物分野だけなのはなぜ? とか…)そこは、一旦置いておくとして…

さすがに国語男子の面目躍如で、国語の2科目は平均点ちゃんの近くにいることができていましたが、それ以外は…魂が抜ける

 

その中でも、元凶と言えるのは、「数学」!

…いや、正しくは、「幾何」が大きく沈み込み、足を引っ張りまくっていました。

 

そこで、今回からは、売り兄がなぜこんなことになってしまったのか? また、数学って何なんだろう? や小学校でやってきた「算数」が中学校で「数学」になり、何が変わったんだろう? ってところを、少し深堀してみようかと思います。

 

数学が“苦手だった”、もしくは“捨てました”って方にぜひとも読んでいただきたい記事ですが、いや、数学なんて見たくもないし、アレルギー反応すら出る…って方は、このまま『いいね』だけして、立ち去っていただいていいですよ。爆笑

 

「算数」が得意だった小学生(※)が、中学生になって「数学」で大失敗をして、現在建て直し中の様子を、ちょっとシリーズものとして記事にしてみます。

※ 瓜兄の通う学校レベルで考えたら、決して「算数」が得意だったと言えたものではないですが、まぁ、一般的な中学受験生のレベルで言えば、得意だったという意味で、このように書いています。ご了承ください。

 

 

幾何

瓜兄が中間考査の直しをやり始めています。しかし、幾何だけはほぼ手付かず…気になってこれまでの幾何の授業で使っているプリントを見てみました。

 

白紙!?

 

何も書いていません。…う~ん…これって…いわゆる…「何も解らないから、何も書けない」ってやつだよね。凝視

 

そのプリントは、『幾何学の基礎』で必ず習う、5つある「公理」の内、第5公理である、“Ⅴ. 平行線公理”でした。

 

    

Ⅴ 平行線公理

直線が異なる2点で2つの直線と交わるとき、同じ側の内角の和が2∠Rより小さい場合、その2直線が限りなく延長されたとき、内角の和が2∠Rより小さい側で交わる。

 

これが、平行線公理です。

釈迦に説法になりそうな話でもありますが、公理とは数学の世界でしかお目にかからない単語です。その意味は、「ある数学体系を作るための、最も基本的な前提条件」であり、少しわかりやすく言うと、『数学者にとって「説明する必要すらない自明の真理」』を公理と言っています。

つまり、数学者にとっては当たり前なんでしょうけど、一般人にとってはどうなんだよ? …って、話なんですよね。物申す

 

瓜兄の通う中高一貫進学校では、中1の1学期初っ端に、このように「数学の基礎の基礎」をちゃんと授業で扱っていたのです。

 

算数的な考え方

今まで、中学校の学習内容に全く口を出してこなかった私でしたが、幾何のプリントを見た以上、放っておけなくなりました。そこで、瓜兄にこの「V. 平行線公理」についての理解がどの程度なのかを、直接尋問尋ねてみました。(最初はとても嫌がれましたが、私のしつこく優しくじっくり尋ねる様子に観念したようで)しばらくして、話し出しました。

 

ぐすん「わからない…。何を言っているのか全くわからない。」

大泣き「なんで、図を描いてくれないの?」

 

凝視「…おまえ、『算数的な考え方』でやろうとしてない?」

 

驚き「…は? どういうこと?」

 

つづく

 

次回予告

とうとう、父が中学生の学習に首を突っ込みだした。『数学』を『算数』と同じ考えで取り組んでいる瓜兄に対して、父が言い放った言葉とは…!?

 

次回、『算数』と『数学』の違い ②。父の介入は、吉と出るのか凶と出るのか? 今は誰もまだ、わからない。

MikeNeko