⑦の続きです。
次の日からは、ベッドから起き上がるのはまだ支えが必要でしたが、家で使っていたシルバーカーを使って外を散歩するなど、明らかに状態は改善されていました。頭痛は相変わらずでしたが、便も久しぶりに出たし、血圧も安定しているし、目に見えて母の表情が明るくなっていたので、この頃は私も母の入院以来、気持ちが少しだけ上向きになっていました。ただ、介護士から「トイレで手を必要以上に洗おうとする」と指摘されたり、私が帰ろうとすると「今日は泊まっていかないの?」と聞いてきたり、やっぱり不可解な出来事は続いていました。
数日後、作業療法士から話がありました。
・入浴時、頭など手の届く所は自分で洗えていること。
・(模擬で)洗濯物を干せていること。
・同じ事を聞いてくる(内容が頭に入ってこない)→高次機能障害を懸念していること。
・一点の事に集中できていないこと。(すぐに注意が他の所に向く) などなど・・・
私はリハビリで元の状態に戻るか聞くと、戻る場合もあるし戻らない場合もあるとのことで、一カ月を目処に訓練を続けていくと説明されました。
また数日後、理学療法士から話がありました。
・認知機能テストは入院当初よりだいぶ良くなっていること。
・杖と手すりを使って歩行訓練が出来ていること。
・退院後の自宅での生活を見据え、母を連れて担当者と一緒に自宅を訪問し、普段の生活環境を確認して助言などを行う計画があること。
この時「ようやく母が家に帰ってくる。また一緒に生活できる。」と嬉しい気持ちでいっぱいでした。この時までは・・・。
次回に続きます。