国の借金が大変だから、増税して返済しなきゃ、未来の世代に借金を残しては大変だ、とよく聞きますが、本当でしょうか?

もし、本当にそんなことをしたらどうなるか考えてみて下さい。

現状で国の借金を人工的にあるいは強制的に返そうとすると大変なことになります。間違いなく大不況となります。

 

借金を返そうとはしないことです。借金そのものに問題があるわけではないからです。

大切なのは、バランスと取っていくことです。というよりそれしかできません。

国の借金が良いとか悪いとかではなく、過去の積み重ねと様々な条件が重なりそうなっているのです。

国の借金とは国の投資であったり、国の給付です。

金融機関の不良債権があれば、金融システムを維持するため不良債権処理をし、震災やコロナがあればそれを救済したわけです。

経済を活性化するためにはあまり使われなかったのです。

経済を活性化すれば、インフレになり賃金は上昇します。

行き過ぎるとバブルが発生します。

日本経済は良くしたいがインフレは嫌だ、借金は返す必要があるが不況は嫌だは、治療薬を打ってほしいが副作用のリスクは一切ごめん被ると言っているのと同じで、一切のリスクをとりたくないのであれば何もできません。

適温経済をめざすにせよ、経済を活性化するのであれば、インフレというリスクは許容する必要があります。

そのために個々人はどうすべきか対策も考えることが必要です。

 

現在の国債の発行残高は、1,000兆円程度です。

 

いくつかシミュレーションをしてみましょう。

1)増税し、返済していく

この場合、かなりの不景気になり、下手をすれば大不況になりかねません。

2)返済をしない。

日本銀行が保有しているのは500兆円程度、残りが市場にあります。主に日本の金融機関です。償還を迎えた国債は新たに国債を発行し買い替えることになりますが、日銀は直接買い入れることができませんから、一旦金融機関が購入したものを買うことになります。ただし、日銀保有の国債が満期を迎えたときの買い替えは国会の承認があれば直接引き受けが可能です。そうなると市場の国債の償還ですが買い手が少ないと暴落します。これは、国債発行残高が300兆円であっても3,000兆円であっても同じ理屈です。

1,000兆円の時に暴落するというわけではないし、300兆円なら暴落しないというとでもありません。

国債が暴落すれば金融安定化のために日銀は国債を買い支える使命があり、日銀が買い支える意思があれば、金融機関は売れば損をし、買えば得をするわけですので、価格は反転します。国債が暴落し返済不可能となった時誰が一番困るかといえば、

国債を保有している人や機関です。そのとき実態のないものは崩壊し、ゼロからやり直すことになります。念のためその覚悟と準備をしておくことも必要かもしれません。

国債が暴落するかどうかの、最も大きな基準は、日本経済の基盤がしっかりしているかどうかです。

返済をしないという選択肢を取った場合、日本経済次第となりますが、1)返済をするという選択肢を選んだ場合は不況になり、下手をすれば大恐慌になり取り返しのつかないことになりますので、2)を選択するのが合理的判断です。もちろん経済が活性化し結果として借金が返済される場合は別です。

また、国債の暴落は返済をしていっても起こりえるし、逆に景気が悪くなるのでより起こりやすいと言えます。

結論を言えばどうやって国債残高を減らしていくという思考から、どうすれば日本経済が良くなり、どのような財政の使い方をすればそれが達成できるかという思考に変えていくことが大事です。

 

 

 

発行者:彩河輪真成(経済モデル研究所所長)

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