「国の財政赤字拡大で、国は本当に破産するのか?」

 

国の借金と国民の資産の仕組み。驚くことに幾ら借金しても実質は何も変わらないことがわかります。

 

簡単なモデルで見ていきましょう?

「モデルA」

この国の国民は、牛さん、寅さん、ヤギさんの3人です。

また、全員国会議員です。

 

牛さんは、主として食料生産者です。

寅さんは、主として建設業者です。

ヤギさんは主として金融、医療従事者、その他製造およびサービス業者です。

 

まず国は、全員に100万円を支給します。

そうすると国の借金は300万円となります。

国民の資産は、国の借金とイコールになりますので300万円です。

(これは、税金で将来徴収するという前提です。それが今の国々の前提ですので)

中央銀行と国債の発行はややこしくなるので省略します。原理や数理上は同じだからです。

 

ちなみに、ここに日銀や銀行を入れると以下のようになります。

 

「モデルB」

政府が300万円分の国債を発行します。

市中銀行が国債を300万円で購入します。(=政府は日銀の当座預金で300万円借りる)

日銀が日銀券(紙幣)を発行し市中銀行が買った国債を買い取ります。(=日銀の当座預金で300万円決済する)。

今の時点で300万円は政府にあります。(政府の日銀の当座預金に)

政府は300万円を公共工事とうとうで支出します。

それを受け取った国民は、その300万円を市中銀行に預金します。

市中銀行は、その金額、実際にはその数倍のお金を、必要な人に貸し出します。(実際には現金を支給することなく通帳や帳簿に記載するだけです)

 

たった3人でも真面目に手順を書いていくとこのように、複雑になるので、国が破産するかどうかを調べるには、それを数学で言う約分あるいは、複雑な方程式を簡素化するのと同じように簡素化するとモデルBはモデルAとなります。

 

「紙幣の役割は」

よってモデルAで説明していきます。

 

牛さんは、主として食料生産者です。

寅さんは、主として建設業者です。

ヤギさんは主として金融、医療従事者、その他製造およびサービス業者です。

まず国は、全員に100万円を支給します。

国の借金は300万円となります。

国民の資産は300万円です。

「もちろん、ただ紙幣を印刷して配ってもいいのですが、現在は国の借金として将来税金として徴収することになってますので、そのようにします。これだけ国の借金が大変なのだから、印刷して配ればいいと思うかもしれませんが、借金にしておいて、税金として将来徴収することは、一定の合理性があります。例えば、富の再配分や、景気が過熱した際、市中の溢れる紙幣を回収する手段としてです。借金とせず、ただ紙幣を配布した場合、資産価値の役割というより、国が保証し互いの貸し借りが分かるようにする道具・契約書・記号としての役割を果たすものを市場に提供するためといえます。現代はむしろそれに近いと言っていいと思います。紙幣そのものには本質的価値はありません」

 

寅さんは、無償で国に必要な道路を作り、牛さんとヤギさんに50万円ずつで、家を建てその料金を受け取ります。

牛さんは、食料を生産し二人に50万円ずつで売ります。

ヤギさんは、服や医療その他必要なサービスをほかの二人に50万円ずつで提供します。

これがこの国の1年間動きです。

 

「モデルA-1」

それぞれの国民の資産は100万円、国の借金は300万円です。

国は、さらに借金をして国民に100万円ずつ合計300万円配るとします。

国民の資産は一人200万円になりました。

国の借金は600万円となります。

 

そうです。「誰かの収入は、誰かの支出」だからです。

 

「対策による国の借金増加と税金での徴収」

結局なにが変わるのか

 

3年間連続震災や大火事があり、3年連続家が崩壊し焼け落ちました。都度国が借金をして一戸50万円で建築するよう寅さんに指示しその金額を支給しました。

年間3戸分で、50万円×3戸×3年=450万円を借金して寅さんに支給しました。

国の借金は1,050万円です。

国民の資産は、1,050万円です。

それぞれの資産は

寅さんは、650万円、

牛さん200万円

ヤギさん200万円です。

 

借金を返すかどうかを決めるのは国です。つまり国民です。

そのままでも国はつぶれませんが、だれかが借金が大変だからそろそろ返済しようと言いました。

 

寅さんは、資産の一律20%を国に納めようといいました。

牛さんと、ヤギさんは200万円以上の資産は不要だから、200万円以上の資産について100%課税しようといいました。そうなると寅さんだけ徴収されるので反対しましたが、

多数決で牛さんと、ヤギさんの案が通りました。

 

その結果

国の借金は600万円です。

国民の資産は、600万円です。

それぞれの資産は

寅さんは、200万円、

牛さん200万円

ヤギさん200万円です。

寅さんは、ほかの二人よりも何倍も働き大変で重労働だったのに、このような結果になり大変不満でした。

 

次の年も震災と火事で全員の家が崩壊し焼け落ちました。

寅さんは皆のために家を建てるのが嫌になりボイコットしました。

 

困った二人は、一戸100万円、合計300万円を国で払うから作ってと懇願しました。

付帯条件として、税金を徴収する場合は、全員一致とするとして、寅さんはようやく納得して皆の家を建てました。

 

その結果

国の借金は900万円です。

国民の資産は、900万円です。

それぞれの資産は

寅さんは、500万円、

牛さん200万円

ヤギさん200万円となりました。

 

「度重なる国の借金と富裕の幻想」

国の借金で膨らんだ国民の富は幻想である。

 

その後10年で、今度は食糧不足、医療問題が起き、国が追加で3,000万円の借金をして、合計3,900万円の借金となりました。今度は頑張ったのは寅さんだけではありません。全員です。

結果以下のとおりとなりました。

 国の借金は3,900万円です。

国民の資産は、3,900万円です。

それぞれの資産は

寅さんは、1,500万円、

牛さん1,200万円

ヤギさん1,200万円となりました。

 

皆お金持ちになりました。裕福になったと感じました。

そのままでも国はつぶれませんが、誰かが借金が大変だからそろそろ返済しようと言いました。

 

寅さんは、資産の一律20%を国に納めようといいました。

牛さんと、ヤギさんは1,200万円以上の資産は不要だから、1,200万円以上の資産について100%課税しようといいました。

全一致が原則なので、まとまらず、結局借金を返済しないこととしました。しかし、国はつぶれません。

物やサービスの供給機能がなくなったわけではないからです。

そうです。

 

その後、だれかが物やサービスの値段を上げたために、我も我もと値上げし、国の借金は3,900万円のままなのですが、値段が当初の10倍となり、例えば家は当初1戸50万円でしたが、今では1戸500万円となりました。

資産は皆1,000万円以上ありましたが、今や誰も自分はお金持ちだとは思はなくなりました。でも国はつぶれません。ただ10倍のインフレにはなりましたが、元々お金持ちになったというのはただの幻想です。実態は何も変わらないのですから。

 

原理3.価値の本質は顕在化された価値であり、それを生み出すため潜在的価値が必要である。

.顕在化された価値: 自然、生産物、サービスの提供など価値の享受がなされた時初めて価値は顕在化し完結する。

.潜在的価値: 顕在化する以前の資産。あるいはそれを生み出すための無形有形の資産。(実際に提供できる物やサービスしか、配分できないし、実際に、物やサービスが作られ提供され、その価値を享受するという実態の積み重ねのみが、本当の富であり、実相です。それ以外は仮であります。)

 

※詳細は、以下ブログ

https://ameblo.jp/mike-08/entry-12710700602.html

 

続く

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