前立腺癌とコレステロール治療薬の関係
コレステロール治療薬(スタチン系)が前立腺がんの死亡率軽減に役に立つという研究について私は、コレステロール値と中性脂肪値が従来非常任高いのですが、以下の研究結果を見てからは医師にスタチン系の高脂血症治療薬を処方してもらってます。条件が揃えば有効性はあると思います。ただ、経験上では、それだけ飲んでいればPSAが下がるということはなく、他の習慣とあいまって効果があるのだと思います。実際、薬を飲んでいても食事や生活習慣を変えなかったときはPSAは上昇し、食事と生活習慣を変えたらPSAも下がりました。もともと、統計上、高コレステロール、高中性脂肪患者は前立腺がんに罹患しやすく、高HDLの人は前立腺癌に罹患しにくいというデータがあります。(それを気を付けていればあえて処方は不要かもしれません)また、スタチン系の高脂血症治療薬とメトホルミン(血糖値を下げる薬)の併用はより前立腺癌の死亡率を下げる効果があるということです。これに関しても、血糖値が上がらないように低GIの食品を食べるなど工夫をすれば敢えて処方は不要だと思います。(食事療法と生活習慣の改善で対応可能)(メトホルミン単独では効果はないが、スタチン系は単独でも効果がある)https://www.carenet.com/news/general/carenet/47630ー抜粋ー※HR(ハザード比):例えば死亡率HR 0.7とあれば死亡率が30%軽減したという意味前立腺がんの生存率改善に関連するスタチンは?提供元:ケアネット公開日:2019/03/14 スタチン使用が前立腺がんの転帰改善に関連することを示す複数の疫学的研究が報告されている。スタチンの効果を確認するための大規模臨床試験を実施する前に、最も適切な対象患者とスタチンの種類を特定することが必要である。今回、台北医学大学のSzu-Yuan Wu氏らは、後ろ向きコホート研究により「アンドロゲン除去療法を受けている進行前立腺がん患者の生存率改善に、アトルバスタチン、プラバスタチンおよびロスバスタチンが関連することが示唆される」と報告した。European Journal of Cancer誌オンライン版2019年2月28日号に掲載。 本研究は、2008~14年の台湾がん登録を用いた後ろ向きコホート研究で、対象は、がん診断後1年目にアンドロゲン除去療法のみを受けた局所進行および転移を有する前立腺がん患者5,749例。スタチンを28日間以上処方された場合にスタチン使用者と定義した。逆確率重み付けCoxモデルを用いて、全死因死亡および前立腺がんによる死亡(PCSM)におけるスタチン使用の影響を推定した。 主な結果は以下のとおり。・全体で2,259例が死亡し、うち1,495例は診断後1年から追跡調査期間中央値3.6年の間に前立腺がんで死亡した。・スタチン使用は、全死因死亡率(ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.70~0.86)、転移例におけるPCSM(HR:0.76、95%CI:0.68~0.86)、局所進行例における全死因死亡率(HR:0.66、95%CI:0.54~0.81)の有意な低下と関連していた。・アトルバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、もしくはピタバスタチンを投与された患者は、他のスタチンを投与された患者より死亡率の大幅な減少を示した。・スタチンの有益性は、診断後にスタチンを投与された男性で一貫して観察され、合併症の多い人や高齢者でも認められた。ー抜粋終わりースタチン系とメトホルミンの併用について 全死亡リスクに関しては、スタチン系薬の単独使用患者で11%、同薬とメトホルミンの併用患者で25%のリスク低下が認められた。前立腺がんによる死亡リスクに関しても、スタチン系薬の単独使用患者で20%、同薬とメトホルミンの併用患者で36%のリスク低下が見られた。一方、メトホルミンの単独使用と、全死亡リスクまたは前立腺がんによる死亡リスクとの間に、有意な関連は認められなかった。