この間のA-studioのゲストが山田孝之さんでした。この人を見ると、思い出す友人がいます。
学生時代、考古学を専攻していて、春休みにお世話になった発掘整理室に、他の現場に調査のお手伝いに来ていたその人は、山田孝之さんに面影が似ていました。
2ヶ月、今思えば短い時間でしたが、私のように、大学の先生から指示されてきたのとは違い、自ら望んで遠く離れた現場に泊まり込んで頑張っていました。
私の先輩も交えて、黒曜石の産地に足をのばしたり、料理を作ったり…色々やりました。
期間が終わり、帰る際に、その人が私にむかって言ってくれました。
「君に出会えてよかった」
生まれて初めて言われました。
実は今のところ、その後言われていないので、一度だけです。
うれしかった。
もし、遠くにいなかったら、好きになっていたかもしれない…衝撃な言葉でした。
当時ネットはごくごく一部の世界だったため、論文をコピーして送ることがよくありました。
その人とは、そのことで時々ご縁がありました。
その後、私は考古学ではなく、普通に販売の仕事をし、その人は発掘調査員になりました。
研究会で近くに来たとき、時間が合えば、ご飯を食べることもありました。
30代のとき、何気なく、私が映画の感想をひとつひとつ記録に残していることを話すと、とても興味深く耳を傾けてくれました。
驚きでした。
私のこの細やかな趣味をちゃんと聞いてくれる…
そんな人は周りにいませんでした。
(今思えば、自分がそういう人ではなかっただけなのですが…)
今この人はひとつひとつ研究を積み重ねて、考古学で欠かせない人になりました。
たくさんの生徒さんに教えているようです。
この人は、目の前の人を大切にできる人。
きっと、生徒さんも楽しいのではないかな…?と勝手に想像しています。
いつまでも元気でいてください。