令和三年(2021)9月18(土)に名古屋市内で行われた講演会・史跡大高城跡講演会大高城と尾張の中世城館に参加してきました。
これは桶狭間合戦のキッカケになったといわれる、尾張・大高城(名古屋市緑区)についての講演会。
大高城は都市化が進む名古屋市の中で、保存状態が良い城跡でなので、城巡りファンの評価も高い城です。
講演会直前の様子。今回は滋賀県立大学名誉教授・中井均(なかい ひとし)さんが登壇されることもあって、会場内はほぼ満席です。
なぜ中井均先生が人気なのかというと、話がわかりやすいから。
これは静岡大学の小和田哲男先生、奈良大学の千田嘉博先生にも共通していることだと思います。
さて、講演会は発掘調査報告も合わせて約2時間。
いろんな話が出ましたが、私が気になった点は以下の通りです。
・太平洋戦争以前の国指定史跡に古戦場が多い理由
・鷲津砦は位置すら怪しい
・大高城は実は海辺の城だった
・蓬左文庫にある大高城の古地図・知多郡大高村古城絵図はおそらく測量して書いている
・大高城三の丸に向けた土橋は虎口
大高城に行った事がある人にはわかると思います。これだけでも旨味たっぷりですね。
また大高城の見ておきたいポイントのひとつに本丸と三の丸間の堀というのがありました。
これは私も同感で、戦国時代当時の堀幅を体験できる遺構です。
ただ、降りにくい場所にあるので、こういったスバラシイ遺構を見やすく整備することも大事と指摘がありました。
メインディッシュ
では個人的にメインディッシュの講演ネタ。それは尾張藩の書庫である蓬左文庫(ほうさぶんこ)に残されている知多郡大高村古城絵図について。
ここに記載されている鷲津砦、丸根砦に馬出しが描かれている事。
この2つの砦は桶狭間合戦時に大高城を包囲していた砦で、大高城が落ちればその役割がない位に小規模ば砦です。
だから後世に軍事的に再利用の価値もないのですが、桶狭間以後の遺構と考えられる馬出しが描かれているのは謎。
これについて中井均先生の見解は、馬出しといえば武田、徳川だが、それ以前にもあった防御の仕組みの可能性があるとのこと。
これは検証する価値も十分にあると思うので、今後の研究に期待大ですね。
講演会の後、また大高城に行きたくなる内容でした。
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