高野山全体が祈りのグリッドに
包まれてるから、居るだけで
気持ちいい
この透き通る空気の中に
沢山の想いが流れてる
吹雪の時間帯もあったんだけど
でもそれが、心地良かった
壇上伽藍
ここに居るだけで
何故かわくわくしてくるんだ〜
私しか人が居なかったから
ずっと一人で壇上伽藍を見てたよ
娘は宿坊で写仏して待っててくれた
本来、冬は閑散期だと思うんだけど
私はこの高野山の雪景色が本当に好きなんだ
音も少なくて静寂に包まれる
壇上伽藍の中の
金堂も見応えがある
これは『香菩薩』
香りの菩薩様だよ
これは『灯菩薩』
火を司る菩薩様
これは『華菩薩』
美しい場所や仏の世界には
必ずお華がある
これは、『音菩薩』
後は『舞菩薩』や『塗菩薩』もあった
全ての絵が極彩色で美しい
こうやって、改めて
この美しい絵を眺めていると
私が大切にしてる事は
空海さんが教えていた事と
全部一緒だと気づかされる
そして私はこういう人里離れた
静かな場所の方が合ってるなぁと
つくづく感じる
香り、音（マントラ）、火、華、舞
私、高野山に居る間中
夜中までずっと空海さんや
この場所の事を考えてて
何で、こんな山の上に
聖地を作ろうと思ったのかな、とか
もう亡くなっている人なのに
何で今もこうやって想いが
そのまま受け継がれてるんだろうとか
空海さんの事を考えれば考える程
かっこよくて
自分の人生が終わっても
ずっと皆がその想いを守ってきて
その仕組みを早すぎるペースで作った事とか
（空海さんってね、唐に渡って
師僧の恵果からたった8ヵ月で
密教の全てを授かってるんだよね
唐に渡った後も、海賊船に間違われたり
日本に帰って来てからも、2年間欠期の罪で
九州に留め置かれたり色々あったみたい）
私、仏教の中では断トツに
この真言密教が好きだけど
これはそもそも
宗教という括りの話ではないのだ
そして、真言密教の世界で空海さんは
『入定』（にゅうじょう）していて
死んでいないんだよね
今もずっと生身共（しょうじんく）
1200年間、一日２回の食事が運ばれている
『3月21日の寅の刻に入定します
この日から深い瞑想に入ります』
って、自らで入定の日を決めている。
入定とは
『生きながらにして仏になり
永遠の瞑想に入る事』を意味するんだけど
これって空海さんは
自分が死ぬ時を
分かっていたって事だよね
それとも、自ら自分の肉体が
終わる日を決めていた？
死すら設計して、自分の死んだ後すら
設計して『空海』を生きたのかな
空海さんの行動が
かっこ良すぎて夜も眠れなくなってしまう
『入定』
ここに色んな秘密が
隠されてるんだよね
自分の入定の日を
自分で決めてるんだから
ここから見えてくるのは
元々、『死』や『滅び』は無いという事
人が死ぬ事はない、生しかない
あるのは永遠の生のみ
空海さんは
生きながらにして仏になる
『即身成仏』という
言葉を残してるけど、これは
『仏以前』も『仏後』もなく
気の遠くなる年月をかけて
『仏に成る』のではなく、すぐに
『仏に成れる』自分を知るという事
を言いたかった
真言（マントラ）も香りも、華も舞も
火も全てその為のものなんだね
そこに気づく為のもの
幻想や曇りを取り払う為のもの
絵画の極彩色の美しさ
建築の細かさ
真実に繋がるものは
美しいもので溢れているといつも思う
高野山に来たら
宿坊に泊まるんだけど
私は前回泊まった所が気に入ったから
また今回もここへ来たよ
宿坊の人達、私の事覚えててくれてた
宿坊でやる事は
全部きっと当たり前の事だ
食事を粗食にする事
極力朝は早く起きて太陽の光を浴びて
マントラを唱える事
物を大切にして掃除を丁寧にする事
ゆっくりと静寂に包まれる事
全部当たり前の事だけど
でも、この当たり前の事を
当たり前に出来ている人はきっと少ない
だからこそ、たまに初心に
戻る時間が大切なんだって分かる
お部屋からの眺め
こんな山の上に天空の霊場を作る事
雪に埋もれた山道の中
この建築物をどうやって運んだんだろう
瞬間移動でも使ってたのかな？
だって昔ってケーブルもないしね
標高900メートルのこの地に
高野山を作ってくれた空海さん達
この場所に高野山が、出来るまで
導いていた沢山の存在達や
今もずっと守っている沢山の人達に
本当にありがとうって思う
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