栃木県に行くにあたって視始めた足利市舞台のアニメ「ヨスガノソラ」、クラナドのような恋愛ものと思いながら第3話まで進んだのですが、ここで考えを修正しました。
通常、恋愛ものやラブコメ作品は最後の方に告白があり、結ばれていくのが常道です。
例外もありますが、クラナド、ニセコイ、とらドラしかり。
しかし、遥と一葉の関係は急進展し、早くも3話で唇を重ねるのでした。
あと10話近くあるから一葉を振って今後他の子に行ってしまうのかとも思いましたが、キスが清純な感じとはちょっと違い、またおまけの数分のミニアニメの内容も鑑みると、アダルト恋愛ゲーム由来の作品かなとも心づいてきました。
第4話の過激な性描写を見てその予想は強まり、
よく地上波でこの作品を放映できたものだなぁ
とも思いました。これは想定外のことでした。
その後のストーリー展開については、このブログの読者の多岐にわたる年齢層も考慮しながら、機会を改めて触れましょう。
全12話を見終えてWikipediaを参照したところ、R15(15歳未満禁止)の作品でAT-Xの視聴年齢制限枠での放送のため、一部のテレビ局では性描写に修正が加えられたとのこと。
とは言え、官能を刺激する描写以上に、僕は物語の展開に深いものを感じました。
サブテーマとして
人間関係(よすが)の複雑さと和解の貴さ
そんなものも僕の胸中には思い浮かびました。
娘と父
異母姉妹
本妻と愛人
兄の恋人と妹
兄と妹
関係が時にはもつれ合い、そしてほどけ合う姿をこの作品は示していたのでした。薄っぺらい人道ではない、
苦しくも温かいもの、
切なくも愛おしいもの、
深く美しきもの、
そんなものを感じ取れました。また、それに相応しい「音楽」も作中奏でられていました。
宇治市が「響けユーフォニアム」の聖地であることをPRしたり、高山市が「氷菓」とコラボレーションしたりしていますが、「ヨスガノソラ」はその内容ゆえに、公的なところが聖地巡礼を推奨できる作品ではありません。
栃木県や足利市が地元舞台の作品として推奨することはまったくもって困難でしょうし、僕も推奨には賛同しかねます。
しかしながら、この作品に表現されたものには、ときに深く美しきものも含まれていることを僕は認めないわけにはいきません。
先ほど述べた「想定外」にもう一つ付け加えるなら、18歳禁止恋愛ゲームを出自に持ち官能を刺激する作品でありながら、深く美しきものをも提示してくれる、そんな一面を「ヨスガノソラ」が持っていたことでしたよ。
右から穹、遥、瑛、一葉、奈緒