日本時間5月20日未明、カンヌ映画祭で是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞を授賞しました。
京都新聞をはじめとする報道に接して、監督が受賞作に限らず、「家族」というテーマを一貫して掲げて実績を積み重ねてきたということを知りました。
やはり家族という普遍的なテーマは国境や文化圏を超えて人の胸に響くのではないかと改めて思いました。是枝監督は家族は「かけがえがないけどやっかいだ」という家族観を持ち「両方描かないとリアルにならない」と考えて映画作りをしていることも知りました。
映画ばかりでなく、マンガもアニメもライトノベルも家族を描くことで奥行きが拡がると感じることが多々あります。
「re:ゼロから始める異世界生活」は主人公スバルの転生前の家族の在り方が描かれて俄然奥行きが増したと感じられました。京都アニメーションの傑作「CLANNAD」の深さはやはり登場人物と家族の関わりゆえでしょう。
そして、「かけがえながけいけれどやっかいだ」という描写も胸に食い込んでくるのです。
このブログでたびたび取り上げている、「食戟のソーマ」。ヒロイン薙切エリナと父親の薊(あざみ)との関係はかなり厄介です。エリナは薊の美食の王国を築くという野望のために幼少から神の舌を磨く教育を施され自由を奪われていました。それを救ったのが祖父でしたが、追放された薊は再び高校1年生になったエリナの前に姿を現しかつてのように管理しようとするのです。
また、SAO(ソードアート・オンライン)のアスナと両親の関係も複雑です。企業グループを運営する父親は高校生のアスナの結婚相手を勝手に決めたり、母親はアスナの意向を聞かずに、学校を変わらせようとしたり、自分たちの利益や体裁のことばかり考えているように映ります。
しかし、少なくとも母親はアスナの懸命な訴えに最後は耳を傾け、歩み寄るのでした。
SAOのアスナ ただしゲームの中の姿ですエリナもアスナも一見恵まれた境遇にあるように見えます。しかし、家族との間に闇と葛藤も抱えているのでした。それは現実の世界でも多々あることではないでしょうか。
そして、光と影の中に魅力的なキャラクターがうまれてくるのだとも思われました。
それにしても、アニメ版のSAOのキリトもマンガ版のソーマも、実の母親は他界し、まだその容貌も出てきませんが、いつかきっと生前の姿が登場して大きな転機となることだと予感していますよ。
家族の表現、あなたはどう思いますか?