最初の獲物〜狩猟マンガ 山賊ダイアリー 2〜 | みかんともブログ

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特にマンガ、アニメなどの二次元、音楽、ライトノベルが中心ですが、最近はポップカルチャーを詠む短歌についても触れています。
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リアル狩猟マンガ「山賊ダイアリー」。
作者岡本健太郎さんの実体験を描いた作品です。
岡本さんが使う銃は、空気銃。備え付けの手動ポンプで空気圧を蓄えその力で一挙に専用のプラスチック弾を射出するタイプです。
空気銃で獲物を仕留められるのかと少し驚きましたが、読み進んでいくにつれて、鳥類やウサギなどの小さい獣ならちゃんと撃ち殺めることが理解できました。

岡本さんが初めて仕留めた獲物は鳩でした。
そして、それを解体して食べきるのです。味付けも工夫しながら。
この作品を読んでいくうちに、主人公=岡本さん自身は、撃ち殺した獲物は必ず食べるというポリシーを持っていることに思い至ります。カラスもヌートリアも川鵜も食べようとします。

全巻7巻を通じて、主人公はいろいろな鳥獣を食べますが、狩猟で生計を立てているわけではありません。いわば、狩猟は趣味と食の探求と人助けとを掛け合わせたもののように思われます。あるいは自分の中の狩猟本能に従っている、そんな風にも感じます。
だからこそ、尊い命を無駄なくちゃんと食べきる。それが生計以外の狩猟で他の生き物の命を殺めたものの責任であるかのように。
作品中には、マンガ「自殺島」や「今際の国のアリス」のように生命に対して直接深い思いを述べるようなところはありません。どことなく淡々としています。
しかし、獲物は食べきるという姿勢、これが主人公なりの「生命への畏敬」なのだとそう思ったことでしたよ。

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近所のコンビニエンスストアで見かける鳩