コミック版『冴えない彼女の育てかた』第2回、主人公安芸倫也の僕が感じた面白さを書きたいと思います。
自称消費型オタクの倫也はアニメ、マンガ、ゲーム、ライトノベルなどのコンテンツに熱情を注ぐのですが、そこで驚くのは、コンテンツを買うためにアルバイトにもかなり力を入れていたことです。しかもカフェなどの接客業。
ギャルゲーム作りが本格化すると複数のアルバイトを掛け持ちして資金を捻出します。
しかも、アルバイトの許可を渋る教師を説き伏せたのでした。これは僕には驚くべきことでした。
アニメやマンガ、ライトノベルに登場するオタク男子へのイメージとは異なりました。親からもらった小遣いをゲーム、マンガ、アニメに費やすにとどまり、教師を説得してまで、積極的にアルバイトをして稼ぐイメージがなかったからです。
また、倫也は文化祭でアニメの上映会を実現しようしますが、担当教師が渋るます。そこで、倫也は教師に猛然と抗議し、ポップカルチャーを生活する上で大切なものとして擁護するのでした。
こういうところが、これまでの作品に出てくるオタク男子とは一線を画するのではないかと感じたのでした。
そして、倫也のこの一本気なところが、幼馴染の天才絵師英梨々やラノベ作家で才媛の詩羽先輩に気脈が通じるところなのでしょう。学園の美少女の双璧である彼女たちは、信念に従う倫也に強い好意を感じていくのです。
全10巻を読み終えて、倫也のポップカルチャーに対する情熱は認めないわけにはいきませんでした。男気すら感じました。
これを読むあなたは、倫也と同じ10代に、アルバイトをしてまで何かコンテンツを買いたいと願ったことはありますでしょうか?(マンガの主人公との比較はあまり意味がないかもですが…)
僕は思い出せません。
だからこそ、倫也に面白さを感じるのです。こういう意外性をキャラクターに持たせる、それも読ませる秘訣の1つかとも思いましたよ。
コミック版「冴えない彼女の育てかた」(ビッグガンガンコミックス)第10巻から引用。1番手前が倫也。