主人公ナツキスバルが突然異世界に召還されて、最初に彼を救ったのが銀髪に紫紺の瞳を持つ少女、エミリア。スバルは一目ぼれして、彼女を救うことを決意します。
エミリアはこの異世界のルグニカ王国で王になる資格を持ち、王を選ぶ儀式への参加を決意していたのでした。誰でも平等に暮らせる国づくりを目指して。
彼女はハーフエルフでした。特に銀髪のハーフエルフはこの世界で恐れられ忌み嫌われる存在でした。
というのもこの世界のあらゆる災厄をもたらすとされる嫉妬の魔女ステラが、やはり銀髪のハーフエルフだったからです。
ハーフエルフへの差別はいろいろな場面で彼女に影を落とします。ただ、生まれがハーフエルフであるが故の偏見と差別。
スバルはそんな状況に対して声を上げ抗うのです。
アニメ視聴中、エミリアへの差別の場面に接して、同じようなことが僕が生きる地球上にも存在するとふと思いました。
あなたもいくつか思い当たることでしょう。
具体的にはあげたら、内外、きりはありませんが、昨年、イスラム過激派ISが占領した地域のヤジディ教徒の女性たちを奴隷として扱い、金銭で売買している報道に接し、胸が痛みました。
ヤジディ教はイスラム教徒から邪教扱いされ、イスラム過激派が憎悪する宗教です。歴史的にいろいろなものが積み重なっているのだとは推察されますが、ISの行動には他者を知ろうという姿勢が欠如し、ただ偏見と差別があるばかりです。
ヤジディ教=悪は、ハーフエルフ=悪と構図が重なります。
リゼロでは、エミリアは特別な徽章を待つおかげで新しい王の候補者になっていますし、ハーフエルフの根絶を図るような動きはまだありませんが、今後の展開では、どうなるかはわかりません。そう展開しないことを願っています。
もしかしたら、作中で悪の権化とされている魔女教=悪という構図も、彼ら彼女らを知る理解が欠けているのならば、差別・偏見の構図なのかもしれません。そこは、明白な実害を及ぼしているかどうかで区別されるとは判断されますが。
こう硬いことを書きましたが、ひとつ、エミリアついて、書き加えることがあるとしたら、つぎのことです。
たとえ、忌むべき対象であっても、きわめて美しかったり、すこぶる可憐であったならば、どの世界にもなびく人はまずいるということ。
人は信条や理屈だけで生きているわけではありません。侮蔑・恐怖・禁忌の対象であっても心を奪われることはあるのです。
スバルはハーフエルフ=悪という価値観のない世界で生まれ育ちましたが、仮に異世界で生まれ育っても、銀髪で紫紺の瞳を持つ、EMT「エミリアたん」に惚れていたものと思うことですよ。
リゼロの原点、ライトノベルです
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