ジャンプスクエア11月号、読み応えがありました。「この音とまれ!」「Toloveる ダークネス」「双星の陰陽師」「新テニスの王子様」など魅力ある作品に恵まれています。目下最も充実した漫画誌ではないでしょうか。
今回、読んでいておやっと思ったことがあります。
それは「新テニスの王子様」で「君が代」が歌われたこと。
現在国別対抗戦で日本チームはオーストラリアと対戦。観客席のオーストラリア国歌の大合唱の中で、真田弦一郎&幸村清市のダブルスは調子を乱されます。
しかし、真田がコートの中で高らかに日本の国歌「君が代」を独唱するのです。それによって、幸村ともども気合いを入れ直し、試合の流れを変えるのでした。真田に「ますらをぶり」を感じ、かなり新鮮でした。
君が代は、歌詞だけ見れば古の和歌集にも載る、風雅な言葉で編まれ、相手の長寿や皇室の弥栄を願う歌とも解釈されます。皇室賛美や戦前の軍国主義を引きずるものとして、否定的に捉える人もいます。僕もその批判は理解できます。
とは言え、ある程度の歴史を持つ国の歌は、戦意高揚など結果的に悪用された歴史を何がしか持つものです。フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」は歌詞を見れば、戦意高揚の歌詞そのもの。
国歌を大きな政変の度ごとに変えるというやり方もありますが、短いスパンでいちいち変えていたら、歴史や信頼は積み上がらないでしょう。そして、時代とともに国歌に対する意識も変わってくるものです。
「新テニスの王子様」の今回のシーンで、「君が代」を歌う真田にかっこよさを感じたのは僕自身にも新鮮でした。
新テニプリで凛々しく歌われた君が代、国歌に対する意識の変化を改めて思ったことでしたよ。