アニメを見ていると、この回の脚本は本当によく作られているなぁと思うことがあります。人気のアニメでも、1話1話をみると作りこみに波や強弱があるように感じることがあります。今日、見たアニメは脚本の素晴らしさに手をたたきたい気持ちになりました。
それは
『アクエリオンロゴス』第8話「貫け! 虫の一分」
主人公ではない、男子キャラクターの土聞努虫(どもんつとむ)に焦点を当てた話です。
努虫の兄は落語家でありその高座のシーンから話が始まります。
兄は新しい笑いを目指す努虫を「笑いの虫」とほめます。
そして、新しい笑いをネットで生み出そうとする努虫の苦闘の日常が紹介されます。
その笑いへの否定的な意見が多い中、ある女性のファンがネットの掲示板で努虫の笑いを称えているのです。
その後、「虫」の漢字がモジバケ化した敵が出現し、努虫は出撃しますが、敵の体内に呑み込まれ意外なことが分かります。
努は本当は今やっているお笑いが好きではないというのです。真剣な心の叫びが話を引き締めます。
これは努虫ばかりでなく、現代日本に生きる若い世代が共有する思いかもしれません。
しかし、その危機の中で努虫は本当にやりたいことをはっきりと理解するのです。
これ以上の内容説明は控えますが、敵を倒した後の後日談が脚本を巧みに締めくくるのです。
起承転結がしっかりした、シリアスもお笑いもあるストーリー。言葉遊びも光っていました。
見終えた後は心地よい充実感をも覚えました。
この8話のスタッフは、
脚本:熊谷 純 絵コンテ:佐藤清光 演出:池下博紀
総作画監督:西野文那 作画監督:早乙女 啓、三島千枝、キムゼヒョン
敬意を表したいですよ(^-^)