『聖闘士星矢』〜宗教的混在と寛容〜 | みかんともブログ

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特にマンガ、アニメなどの二次元、音楽、ライトノベルが中心ですが、最近はポップカルチャーを詠む短歌についても触れています。
あなたも試しにご覧あれ(^-^)

キリスト教やイスラム教の文化圏と比べて、
日本の宗教文化は多神教的な性質が強く
現在の日本でもその現れを指摘することができます。
正月や婚礼は神道、お盆や葬儀は仏教、クリスマスや婚礼はキリスト教、
礼節の中には儒教の価値観もほの見えます。
節度がないという批判的な意見もありますが、
取捨選択はありながらも、
いろいろな宗教の並存を受け入れてきたことは
人類の共生が大切なグローバルな時代にあって
日本文化の美質と言えるかもしれません。もちろん、一神教的文化が悪いという訳ではありません。信仰の自由がキリスト教の世界の西ヨーロッパで確立されたのは見過ごせません。また、キリスト教の聖母マリア信仰はケルト人の地母神信仰の影響が認められますし、インドネシアの少なくないイスラム教徒は土着の精霊信仰も持ち合わせています。一神教的文化でも多かれ少なかれ多神教的要素は持ち合わせています。
と前置きが長くなりましたが、
日本のマンガやアニメにおける宗教的寛容や混在を感じさせてくれるマンガとして挙げたいのが

車田正美さんの名作「聖闘士星矢」です。
作品の世界観は多彩な宗教的要素でいろどられています。
ギリシャ神話がベースですが、
ギリシャ神話の女神アテナイの化身である日本の少女を守るため、
主人公星矢は邪悪な存在と戦います。
ギリシャの聖域にキリスト教風の教皇が存在したり、
教皇を守るゴールドクロスとしてシャカが登場したり、
日本神話や北欧神話、中国の神仙思想も垣間見られます。
そんな要素の混在が違和感なく楽しめるのも、この作品の魅力の一つかも。