韓国ドラマが女子高生同士のキスで行政処分~百合アニメを考えてみました~ | みかんともブログ

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特にマンガ、アニメなどの二次元、音楽、ライトノベルが中心ですが、最近はポップカルチャーを詠む短歌についても触れています。
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今朝の京都新聞国際面の記事が目に留まりした。
同性愛は「品位を乱す」という見出し。
韓国のテレビドラマが同性愛を取り扱い、女子高生同士のキスシーンを放映したところ、韓国政府の放送通信審議委員会が品位を乱したとの理由で番組に行政処分をだしたというもの。
委員会はキスシーンだけでなく同性愛を描いたことも処分するとの指針を提示した形だと記事は報じていました。ちなみに処分対象になったテレビドラマはJTBC制作の「ソナム女子高探偵団」。

僕はこの記事に接して自分が京都駅の商業施設で見た光景を思い出しました。
一昨年でしたか、
京都駅改札に近い商業施設SUBAKOの吹き抜け通路を歩いていたら、
制服を着た女子高生同士がはにかみながらキスをしていました。
恋愛マンガのワンシーンのようでした。
日本も恋愛の価値観が柔軟になってきたんだなぁと実感したことを覚えています。

現在日本のアニメで百合(女性の同性愛や友愛の別称)の要素は結構
重みを増してきているように思われます。
そんなアニメとしてすぐに思い出されるのが、「とある科学の超電磁砲」。戦闘シーンも見ものですが、ヒロインの御坂美琴と彼女を強く慕う白井黒子の百合的やり取りもこのアニメの魅力の一つです。
また、1997年の作品「少女革命ウテナ」も百合要素が多い作品です。男装の華麗な高校生ウテナがヒロイン。個人的にはこの作品はストーリー以上に音楽がいっそう面白いと感じています。

また、女性同士の愛情を深く取り扱ったアニメ作品として
個人的に凄いと思うのが「神無月の巫女」(2004年)。
世界を破滅から救うロボットアニメ?でもあるのですが、
メインテーマは来栖川姫子と姫宮千歌音が織りなす、二人の愛情と残酷な運命。
ロボットや戦闘シーンは単なる添えざしに過ぎません。
こんなロボットマンガがあっていいのかとも見た当初思われました。
しかし、見続けるうちにその考えは変わりました。
荒唐無稽なことも多いですが、二人の愛情の純粋さに打たれ、何度も落涙しました。

作り事の世界だからこそ、純粋でしかもリアルな愛情を表現できるのかもしれない。

僕にとって、アニメ「神無月の巫女」はアニメの可能性と凄さを改めて
体感させてくれた作品の一つだと言えます。

いろいろ書きましたが、僕が同性愛について触れている論点は、
極めて表面的なものです。真剣に考えている人の眼には軽率に映ることでしょう。
また、その表現をよしとする意見、不可とする意見、どちらにも耳を傾ける必要があるとは思います。
そして、今、言えるのは、通常と違うパターンの愛情の形を描くからこそ、純粋なものやリアルなものも見えるのではないかということです。

同性のキスシーンゆえに行政処分を出されたという韓国ドラマ、
制作した人たちが
不当な扱いをされないことを祈り。