父の命日 | 91歳認知症母の介護日記

91歳認知症母の介護日記

91歳の認知症の母と2016年8月より同居しております。年々できることが少なくなり、話が通じなくなり、毎日イライラしたり怒ったり。介護のストレスや悩みを吐き出します。

 10月1日は、父の命日だ。亡くなって丸4年が経った。

 あの日は、日曜日だった。父の病院には、毎日自分だけ行ってたのだが、その日は、兄一家、自分の家族と母も連れて、病院で待ち合わせて一緒に父のお見舞いに行く予定にしていた。

 9時前に家の電話が鳴った。

「○○病院ですが、すぐ来てください。」

と言われた。

「えっ、父がどうかしました?」と聞くが

「とにかく、すぐ来て下さい。」と言われた。

 看護師さんのただならぬ様子に、大変な事が起こってるに違いないと感じた。

兄にあわてて電話して、病院から電話があってすぐ来て下さいと言われたと伝える。

 急いで着替えて、母の支度をして、家族と一緒に病院に向かう。私が動揺して手が震えてるのを見て、主人が運転してくれた。

 病院に着くと、駐車場で丁度兄たちと一緒になった。病室に着くと、父は寝ていた。寝ているように見えた。でも父は亡くなっていた。

 私は、涙が溢れてきた。ごめんね。ごめんね。

安らかな顔は、眠っているようにしか見えなかった。まだ手も足も温かかった。

 看護師さんによると、前日も当日も何も変わった事はなくて、朝のバイタルチェックも異常がなく、朝ごはんも完食されました。朝食の食器を下げて、しばらくしてお部屋に行くと息をされていませんでした。との事だった。

 父は、末期癌で、年を越せるかどうかと主治医に言われていた。私は、自宅で父を看ようと思い9月いっぱいで仕事を辞め、訪問看護ステーションとも契約をして、やっと家に連れて帰れると思っていた矢先に父は天国に旅立った。

 前の日、仕事終わりに父の病院に行った時も、いつもの様子と変わりなかった。

新聞を渡して、しばらく雑談すると、父はいつものように言った。

「あんたは忙しかけん早く帰りなさい。」

私は、「うん。明日、お母さんも連れてみんなで来るけん。じゃあね、バイバイ。明日ね。」

「バイバイ」と、父が笑顔で手を振った。

それが最後だった。


 生前、父といつも冗談で、"あの世で会おう!"と話していた。

 あの世で会えるかな?

 会えたらいいなぁ。

父の写真は、いつもこっちを見て笑っている。