ミキサー食 | 91歳認知症母の介護日記

91歳認知症母の介護日記

91歳の認知症の母と2016年8月より同居しております。年々できることが少なくなり、話が通じなくなり、毎日イライラしたり怒ったり。介護のストレスや悩みを吐き出します。

   母は、3年位前からミキサー食だ。5年前の夏、父が低血糖で救急搬送され、そのまま検査からの大腸ガンの手術になり、1ヶ月半入院することになった。老老介護の介護者である父が入院してしまったので、私は母を自宅に連れてきた。

   私は、高速で1間半の実家と自宅を、週のうち4日は自宅、3日は実家で過ごす為、行ったり来たり生活を余儀なくされた。救いは息子が大学生になっていたのでお弁当や朝補習がなかった事だ。

   でも私は週3日は、調理のパートで9時から15時まで働いていたので、母のためにお弁当を置いて仕事に行っていた。母は、電子レンジは使えないので、おにぎりや卵焼き、シャケやほうれん草の胡麻和えなどの普通のお弁当を置いて行った。母は、総入れ歯だが、そのころはまだ普通の食事が食べられた。好き嫌いもなく、残さずきれいに食べていた。

    一年後、父が亡くなった頃から、だんだん硬いものは噛めなくなり、一口大に切って出すようにした。それも食べにくくなり、小さく切ったり、とろみをかけて出すようにした。そのうち、それも飲み込めなくなり、エキスだけ吸って、繊維を吐き出すようになった。いつまで噛んでも飲み込めず、皿の上に吐き出したおかずのカスが山盛りになるようになった。これじゃ栄養が取れないと思いハンドミキサーを買ってミキサー食にしたら残さず食べられるようになった。

   最初は、一品ずつ分けてとろみをつけてミキサー食を作っていたのだが、母は、目が見えづらいからと言って、ご飯の器に全部おかずをぶち込み混ぜて食べるので、今では、軟飯、汁物、メイン、副菜、全部まとめてミキサーにかける。皿も少なく済み手間が省けて楽チンだ。

   食べ物を飲み込めず吐き出すようになった頃、私とダンナと息子は肉料理で、母だけは魚料理を出していた。刺身もしくは骨を外してとろみをかけて食べやすくした魚を出しているのに母は「私だけまま子イジメして!肉を食わせろ!」と激怒した。食べられないからわざわざ違うものを作ってあげてるのに文句を言われ、そんなに食べたいなら食べれば!と肉を小さく切ってあげた。でも結局飲み込めずに吐き出す事になる。ホントに気が強いババアだ。

   ミキサー食になってからは、母は、肉でも魚でもゴボウでもコンニャクでもキノコでも海藻でも何でも家族と同じものを食べられるようになった。お陰で、「まま子イジメして!」と文句を言われなくなった。