孫が大好きな母 | 91歳認知症母の介護日記

91歳認知症母の介護日記

91歳の認知症の母と2016年8月より同居しております。年々できることが少なくなり、話が通じなくなり、毎日イライラしたり怒ったり。介護のストレスや悩みを吐き出します。

 私は、兄と2人兄妹である。兄のところには娘が1人、うちには息子が1人いるので、母の孫は2人だ。

 両親がうちに来た5年前、息子は大学1年生だったが、今はもう社会人になって、都会で一人暮らしをしている。

 母は、私の息子である孫のS君の事が大好きだ。S君の名前は絶対忘れないのに、私のダンナの名前は何度教えても覚えられない。もうあきらめた。そして、もう5年位一緒に住んでいるのに、私のダンナの事を誰かよくわかっていない。私のダンナの事を、S君の兄ちゃんと言う。兄弟にしては、えらく歳が離れている。

 息子が大学生の頃、飲み会などで帰りが遅くなると、「S君はまだ帰らんのね。」と帰ってくるまで起きて待っていた。「男の子だから、心配しなくていいよ。」と言っても聞かない。

夜中に帰ってくると、「おかえり。あ〜安堵した。」と言って寝ていた。

 そんなS君も、4月から社会人になり遠くに行ってなかなか帰ってこれなくなった。時々、LINEのビデオ通話で、母と息子を会話させる。

 S君から、「ばあちゃん、元気?」と話しかけられると、ニコニコして、「元気よ。」と答えている。「S君、彼女は出来たね?」と母に聞かれ、息子は苦笑。「S君は、ハンサムやね。」と、母は、見え見えのお世辞を言っているが、私は、「あなた緑内障で、ほとんど見えてないでしょうが」と突っ込みたくなる。

    去年1年間、コロナのせいで、息子は大学の授業がリモートになり、ほとんど家にいた。母がデイサービスが休みの日は、昼ご飯も一緒に食べていた。ご飯の時は、いつも、母が2階にいる息子を、「Sく〜〜〜〜〜ん」と呼ぶ。すると息子は階段をトントントンと降りて来て、母の真向かいの席でご飯を食べた。

 母は、Sが就職して4ヶ月以上経った今でも時々ご飯の時になると「Sく〜〜〜〜〜ん」と呼ぶ。

 私が、「S君は、もういません。」と言うと、母は、「あら、そうね。」と言う。