トイレを詰まらせる母 | 91歳認知症母の介護日記

91歳認知症母の介護日記

91歳の認知症の母と2016年8月より同居しております。年々できることが少なくなり、話が通じなくなり、毎日イライラしたり怒ったり。介護のストレスや悩みを吐き出します。

 5年前に父と母を私の自宅に呼び寄せてから、2年間に4回トイレが詰まった。最初は、母がしょっちゅうトイレを汚すので、使い捨てのトイレクリーナーやトイレットペーパーを大量に流していたら詰まった。流せるトイレクリーナーと書いてあっても、トイレットペーパーみたいには水に溶けないから、たくさん流すと詰まるらしい。

 驚いた私はインターネットで、料金5000円〜と書いてあった業者に電話した。すぐに来てくれたが、なかなか詰まりが取れない。業者は言った。3万円コース・5万円コース・10万円コースありますがどれにしますか?と。えっ、5千円からって書いてありましたよね。と言うと、出張費だけで5千円です。嫌なら帰ります。とのたまう。悪徳業者に、はめられた。仕方ないので3万払って直してもらった。

 次は、母が布パンツ用の尿取りパットをトイレに流して詰まらせた。母は目が悪いので尿取りパットが便器の中に落ちても気づかない。何度も流すが流れないと水を流し続け、便器の水があふれて大変なことになった。

 私は、もう業者にボラれるのは懲り懲りなのでホームセンターに道具を買いに行った。

ラバーカップ、俗に言うスッポンと、スプリングワイヤーブラシや、PPスルーという薬剤など。

尿取りパットが水を吸って配管にはまり込むと、ラバーカップでは、びくともしない。そんな時はスプリングワイヤーブラシの出番だ。太い針金の先がぐるぐる螺旋になっていて、手元でハンドルを回すと、先がドリルのように回り異物を除去するこの道具は優れものだ。詰まったものを粉砕し、尿取りパットのビニールがうまく針金の先に巻き付けば、スッポンとパットが抜けて詰まりが解消する。このスプリングワイヤーブラシで、2回目、3回目も、尿取りパットを無事に取り除きトイレの詰まりは直った。

 4回目も母が尿取りパットを詰まらせたが、道具を使ってもどうしても取れない。私はもう覚悟を決めた。怖いものは何もない。手袋をして便器の中に手を突っ込んだ。指の先っぽに尿取りパットのビニールの感触。一生懸命手を伸ばして、指先でビニールをつかんで、じわっと引っ張ったらパンパンに膨れた尿取りパットがスッポンと出てきた。

 母は、あまりに失敗が続き、私に布パンツを捨てられ、リハビリパンツになったので、もう尿取りパットを詰まらせる事は無くなった。

 でもせっかく身につけたトイレの詰まりを直す技術。自分では、もうプロだと思っている。母が天国に行ったら、自営でトイレの詰まり直し屋さんでも始めて、ぼろ儲けしようと思う。