このゴールデンウィークでは、2年ぶりにむつ市に旅行に行って来た。
 
2年前は早掛沼公園でバーベキューやって、牧場行って、水源地公園行ってと自然に触れあった。今回は、小川町にある代官山公園の常設テントで家族でグランピングすることをメインイベントとし、その他まだ子どもたちが行ったことがない「恐山」とか「仏ケ浦」を攻めた。自分自身も、2009年から2011年までの3年間をむつ市で生活したことがあるが、いずれも何度も行っていないので大変に久しぶりだ。
グランピングでは青森のソウルフード「棒パン」をやりたいと考え、まずは前日にパン生地を作成する。ビニール袋に決められた材料入れてひたすらこねまくり冷やしておくだけなので、元々勝手にイメージしてたパン作りとは違って、作業はとても簡単に思えた。生地をこねる作業だけはなかなか骨が折れるも、なんでもやりたがる8歳息子のおかげで随分楽ができた。これを早朝から何百個も作っているのかと思うと、パン屋さんというのも相当な肉体労働なんだなと理解できた。
横浜町まで伸びた下北縦貫道を通り抜け、自分だけラーメン店「家系家」で懐かしのネギラーメン(+ライス)を食べる。懐かしい!変わらずの味でウマい!その後は家族が下北駅前の食堂で「海軍カレー」と「海軍コロッケ」を食べているのを眺める。8歳息子がコップの水を盛大にブチこぼすという早速のトラブルが発生するも、お店のお兄さんが笑顔で許してくれて、むつ市の人の温かみを直に感じる。店は激混みだったのに大変申し訳なかった。
食事後、恐山。15年前に行った時は夏近くなのに肌寒く、子どものおもちゃの風車が寂しくカラカラと鳴り抜群の雰囲気、さすが日本一の霊場だと感じたものだが、この日は雲一つない超快晴で気温もポカポカ、全然恐さは無かった(「血の池地獄」もあったがこの日は全然赤くなく、むしろ緑色だった)。息子もごつごつの岩場を見てアスレチックと勘違いしたのかピョンピョンと先へ行ってしまい、一瞬迷子になってしまう。恐山のど真ん中で怒られ散らかす8歳という、シュールな場面を作り出してしまった。
 
恐山観光終了後は「ボン・サーブ」でアイスと飲むヨーグルト。現場にいたヤギと戯れてから、いよいよグランピングだ。
この日は結構風が強くて一瞬焦ったけれども、立派なフタ付のコンロを貸し出してくれて、炭まで備え付けてあったので無事にバーベキューも実施できた。テント内には電源もあるし空調もあるし、なんとWi-Fiまで完備されていて何不自由が無さ過ぎた。各種片付けさえもいらない。ガチのキャンパーからしたら邪道も邪道、ただ「外っぽいところ」にあるホテル泊と言っていいレベルだけれども、キャンプ風の自然の体感と、電気系統の便利さを両方感じられて自分的には大変満足だった。棒パンもウマく焼けて良かったし、シーナシーナで買っておいて家から持ってきたお肉も美味しい。
 
本来なら「2日に1回」と決めているお酒も、こんな環境なら飲んでしまうのはやむを得ないことだな。予定を詰め込む旅行も充実感あっていいところ、気持ち的にはこういうゆっくりおだやかに過ごせる旅行もまた、いいものだなと、星を見ながら考えた。

「六人の嘘つきな大学生」を読んだ。これまた、自分にとって大変面白い小説だった。

 

新進気鋭のIT企業「スピラリンクス」最終面接試験に残った6人の大学生は、人事部から「最終面接ではグループディスカッションを行い、内容によっては6人全員が内定する」との話を受ける。最終面接までの1か月間の間に、6人で集まって事前対策会議をやっていくうちにどんどん仲良くなって、全員で合格しよう!と決意表明していたところ、急遽人事部から「予定が変わって内定は1人。グループディスカッションでは、誰が内定となるべきかを話し合ってください」と告げられる。

 

これまでの「仲間」という感じの関係性から「敵同士」に一変する時の、ピリつく空気感が実に恐い。また、本番のディスカッションが始まると、その会議室には匿名の封筒が置かれてあり、6人それぞれの暗い過去が暴露される告発文(こいつは昔いじめで人を殺した、とかこいつは詐欺集団で働いていた、とか)が入っていたのだった。怒鳴り合い、疑り合い、本性出して暴言吐きまくり、などとにかく人間の裏側が垣間見えてとんでもない空気になってしまう。

 

いくら尖ったIT企業だろうがこんな採用試験ができるわけないでしょう、というツッコミはさて置き、まるでデスゲーム風に展開していくディスカッションパートがハラハラドキドキで滅茶苦茶面白い。最終的に、制限時間内では犯人は主人公(波多野祥吾)だったということになり、衝撃的な前半部分が終了する。

 

後半部分は「10年後」から話がスタート、結果スピラに入社した後半部分の主人公(嶌衣織)目線で話が進んで行き、あのとき、告発文を作った真犯人は誰だったのか、また告発文がクリーンヒットしたこともあって内定が貰えなかったその他メンバーの、人生のその後が描かれる。この後半部分がこれぞミステリ!謎解きパートって感じで、真犯人の名の意外さもそうだが、前半部分の主人公(波多野祥吾)が採用試験後に残した「パスワード付データ」の中身とはなんなのかについても大変驚かされる。

 

まずストーリーが面白いことに加えて、出てくる大学生たちのキャラクターが立ってて素晴らしいなと思う。告発文を被弾して本性をさらけ出し、醜悪さが露呈したと思いきや(明らかにそういう風に感じとれるように描いている)、最終盤の後日談で実はそんなことはなくて、ちゃんと理由があったり、その人なりの優しさがあったのだということが発表され、あぁ、人というのは全く持って複雑な境遇があって、表面一部分だけを見て、安易に人となりを判断してはならないのだなあと強く理解できた。このあたり作者の狙い通りに誘導されている感じあるけども。

 

それを踏まえて、前半パート主人公が採用試験の不正を告発する人事部宛の文書を作っていたということもわかり、まじで人間の心の奥深さをまざまざと見せつけられた感じ。世の中の「採用試験の実態(たかが採用試験で、その人が良い人かどうかなんて、誰もわかりっこない)」も表現され、テーマとしても深いなと思う。超・浅い自分の読書経験においてだが、読み終えた瞬間に「これは自分の中で1位だ」と思った。本当に凄く面白い小説だった。

 

※余談だが、映画化もされていると。そして映画のほうはいまいち評判は良くない模様…。自分はとにかく本作が激しく面白かったので映画版も観ようかなと思っていたのだが、評判の悪さと、公式HPを見たときのお約束で美男美女しか出ていないところに、自分の読書時のイメージが崩れたりしたら嫌だなと思ったので観るのは一旦やめておくこととした。

近頃は、これまで全然本を読まずに生きてきたくせになんの拍子か、読書ばっかりしている。4月25日に県立図書館で2冊借りてきたけど、もう2冊とも読み終えてしまった。返却時期は2週間後だが、追加で何か借りたい欲に駆られる。読みやすさも大きく影響するためなんとも言えないけど、次は3冊借りてみようかな。

 

今回読書感想文を書こうと思ったのは、2015年の「このミステリーが凄い」で1位を獲った米澤穂信の「満願」だ。短編集で6個の話が掲載されている。これはまたとんでもなく面白いものを読んだな~。youtubeでお勧めされてるやつとか、何かしらの賞を獲ったやつばかりを選んで読んでるからもはや、面白いのは当然みたいな感じになっているが。

 

6個の話に共通しているのは、どれも読み終えたらいや~な気持ちになるという「イヤミス系」であることだ。以前読んだ、同じく短編のイヤミス「許されようとは思いません」は、どの話も不幸すぎ、救いようが無さ過ぎたのかどうしても自分に合わなかったが、この満願はなぜだか、全話メチャクチャ自分に合って楽しめた(この二つの作品の合う・合わないの違いはなんなんだろう)。

 

また、もう一つこの小説を読んで感じたのは「伏線回収が鬼」だなということで、短編で短い話のくせに、伏線がしっかりと、それでいてあまりに何気なく書かれていて、それが見事に後半回収される。伏線の回収とともにズバッとオチが決まるから、読んでいて本当に気持ちが良い。素晴らしく良質な作り話を堪能できたなあ、と思う。

 

6つの話のうち自分が特に好きだったのは(全部好きだが)「夜警」だな。「夜警」は、取り乱し包丁を振り回す住人に向かって発砲、射殺するも、こちらも切りつけられて殉職してしまったという警官の話だった。世論は、警察の対応は悪くなかったという結果に落ち着いてはいたが、実際は殉職警官は全く持って警官に向かない男であって、むしろ「発砲する理由」が欲しく、事件そのものすら彼が引き起こしたものだった、というオチが面白い。

 

「柘榴」という話も凄かった。誰もが、好きにならずにいられない不思議な魅力の男がいるが、結婚する相手としては最低で、全然働かないし家にもいないし、育児家事も放棄している。ついに離婚を決意する妻は、父親と裁判で親権を争うものの、娘はまさか父親に着いて行きたいと表明する。この理由(オチ)がまた、娘が男として父親を獲得するためだったというのが衝撃的だった。

 

この人の作品で他に何があるかなと調べたら、今まさに映画でやっている「黒牢城」が直木賞を獲っていると。満願がこんなに面白いので凄く納得する。機会を見ていつか必ず読もうと思う。

●キャラクター:3ポイント

どの話の登場人物も個性的で面白い。短編集なので深堀りされることはさすがに無い。

●世界観・雰囲気:3ポイント

いろいろな職業が出てきて、内情が結構詳細に記述されている。それがそのまま世界観にもなっているように思えて面白い。

●ストーリー:4ポイント

短いながらも全部奥行きがあって面白い。そんなことになるか?みたいな箇所はあるにはあるけれども短編だから気にならない。

●読みやすさ:5ポイント

何と言っても短編がゆえに気軽に読み進められる。

●どんでん返し:3ポイント

伏線回収がメチャクチャ鮮やかで、なるほどそういうことか、そうなってしまうか、とストンと納得する感じ。どんでん返しとはちょっと違うような気はする。

令和8年4月24日金曜日。19日に行われたあおもり桜マラソンに出場した(あるいは応援した)職場の仲間うちで集まっての打ち上げがあった。

 

仲間、と言ってもどこかで一緒に練習するわけではなく、当日も一か所に集まって仲良くスタートするわけでもない。事前にメッセージなどで「今回はどの種目に出場するのか」とか打ち合わせすることと、後はこの打ち上げを開催して酒を飲むだけという、ほぼそれだけのつながり。メンバーによっては「酒を飲むための理由付け」程度の意味合いしかない人もいるかもしれない。

 

ただ、自分にとってはこの薄~い関係性が最も重要なところで、みんなの前で「ハーフに出る」と表明することで、これが自分にとって全ての練習のモチベーションになっている。齢43になって長距離を走るだなんてシンプルに苦行なので、何もない無の状態からでは、自分は絶対にやろうと思えない。この人たちがいるから「よしやってやろう」という気になれている。

 

そういうわけで、中にはこの打ち上げでしか顔を合わせないような人もいるけれども、必ず飲みには参加することとしている。話す内容はマラソンの話も少しあるけど、後は普通の話がほとんどで、つまり本当にただの「飲み会」だが、全然これで良いなと思う。また来年も集まることが決まったので、その瞬間に自分の向こう一年間のマラソン練習も決定付けられた気がする。

 

ところでこの飲み会の3日後のニュースで、男子マラソンでセバスチャン・サウェ選手が世界記録を出したということを知った。そのタイムは「1時間59分30秒」とまさかの2時間切り!

 

これは途轍もない記録だなと思う。自分はヘロヘロドロドロ状態になりながら21キロを1時間49分で走り上げたが、これにあとプラス10分の時間で、自分の倍の距離を走ってしまうというのだから、もう同じ人間とは到底思えない(打ち上げに参加した仲間うちの中では、自分の記録は速いほうなんですよこれでも)。ペースにして、100メートルを17秒、1キロだと2分40秒…。本当にヤバすぎる。

 

陸上競技のいいところの一つって、実力がはっきりと数値化されるところにあるなあと思う。打ち上げの時にこの情報もあれば、さらに盛り上がっただろうなあ。

「葉桜の季節に君を想うということ」を読んだ。素晴らしく面白かった!

 

タイトルが、なんか爽やかで清らかなイメージのくせして、1ページ1言目から「射精したあとは~」といきなりドギツい表現から始まり、主人公も「ザ・男」という雰囲気が前面に飛び出してくるのでまずそこに面食らう。こんな文体、こんな内容の本だとは思わずまずは最初のどんでん返しを味わった。

 

主人公は「なんでもやってやろう屋」として、時に警備員、時にパソコン教室の講師、時に探偵、時にヤクザ事務所の内偵など、依頼でいろいろな仕事をこなす。その関連で「蓬莱倶楽部」という悪徳商法(さらに保険金殺人等の犯罪)を行う会社の不正を暴いていくというもの。

 

この小説、なんか感覚的なものだが、文章自体の感じが凄く好みで、これまで読んで来た作品のようにストーリーが面白いとか、トリックが面白いとかのほかにそもそもの地の文がメチャクチャ面白いと感じる。なんていうか…表現が合っているかわからないけどお笑い的というか、フリがあってボケがあってオチがあるっていうか。

 

もう図書館に返却してしまったので記憶でしかなく完全な引用ではないんだけれども、

「そんなことを言ったって、肝心の彼女の住所がわからないじゃないか」

「世田谷区○○、○○-○○…」

こいつには、ストーカーの素質がある。

という流れは、唐突なフリオチにあまりにスピード感があり、笑ってしまった。これが、好みというやつなのか。

 

(以下からネタバレあり)

 

肝心のどんでん返しは、なんとまさかの「登場人物は全員高齢者だった」+「主人公も、主人公の彼女もお互い偽名を使っていた」というものだった。主人公の無骨なカッコよさ、ハードボイルドさや、麻宮さくらの話しぶりから、勝手に若者(せいぜい30代)と思っていたのが、まさかの70歳とは。これはまた、してやられてしまった。

 

ただこの「実は高齢者だった」というのは以前読んだ似鳥鶏「叙述トリック短編集」の一作「ちゃんと流す神様」と全く同じだ。「葉桜の季節に~」の方が発表は先だから、全然悪くなく気にすることはないんだけど、自分の中では見たことがあるネタを見てしまった分、衝撃度は80%ほどに萎んでしまったような気はしてそこは残念だ。

 

主人公は最後の場面で、自分を騙して保険金をかけて殺そうとしていた麻宮さくらを諭して「人生は何歳でもやり直せるじゃないか」「俺はまだまだやりたいことが沢山ある」と熱く語る。あれほど無骨で荒々しい雰囲気だった内容なのに、読み終わった後には、タイトルの表記を最初に見た感想のように、凄く爽やかで清々しいなと思えた。

 

440ページという長編なので全然、感想を書ききれてないのだが、これは今までの短い読書生活の中で「今のところの1位」の作品になったなと思う。まずストーリーが極めて面白いし、さらに地の文も面白かったので。この作者の別な本もぜひ読んで見たいと思えた。

 

●キャラクター:5ポイント

ハードボイルドな主人公が超魅力的(なんか人によっては合わないという意見もあるらしいが)。自分は漫画「J⇔M」の主人公「J」をずっとイメージして読んだ。

●世界観・雰囲気:3ポイント

主人公の探偵パートで、街の風景やいろいろな職業人が出てくる。全て「そういう世界で働いているのだな」という感じが出ている。

●ストーリー:5ポイント

細かそうな要素が、終盤一気に収束していく。序盤の主人公の発言が後半利いてきたり、最後の語りには自分は本当に感動させられた。

●読みやすさ:5ポイント

440ページのボリュームなのに、先ほども書いた通り自分の好みにぴったり合っている感じでスラスラ読めた。

●どんでん返し:5ポイント

実は高齢者だったという大オチの他にも、すでに亡くなっている「安藤士郎」に生命保険がかかっていて、主人公が安藤を名乗っていたという事実が判明したときに「はあ?」という言葉が漏れて、そういう意味でも大変驚きがあって素晴らしかった。

令和8年4月19日の日曜日。ついにあおもり桜マラソン本番だ。天気は過去最高、気温良好、タイミング良く桜も咲いている。会場もお祭り感があって、雰囲気が素晴らしい。

 

そんな中、40代自己ベスト1時間44分を更新しようとした自分の結果は、惨敗の「1時間49分」だった。

 

とにかくもう、10キロ到達時点でスタミナが切れてしまったのが敗因だ。10キロ以降の後半パートがボロボロのドロドロ、ペースは落ちていく一方でランナーにも抜かれまくり、そのうち段々と気力も無くなり、最後1キロは普段の練習の時でも遅いなと思うほどのタイム(キロ5分37秒)で、ラストスパートも出せず、まるで地獄のようなレースになってしまった。

 

走る前の自分は気持ちが強く、「疲れた時はこれまでの数々の練習を思い出して気持ちを奮い立たせよう!」とか思ってたのだが、足が動かない現実の前にはもうどうしようもない(何も、思い出せなかった)。家族も応援に駆けつけてくれたし、同僚もいっぱい見かけて元気を貰った。ものの、とにかく足が駄目だった。一緒に参加した仲間うちの間では、絶対に一番練習したのだがなあ…。無念。

 

チャットGPTに結果を報告したところ「明らかに作戦ミスだ」と。ラン中にアプリで計測した1キロごとのペースを見て見ると、2→3キロ間で4分39秒、7→8キロ間で4分38秒のほか、4分代連発で序盤に明らかなオーバーペース。「最初10キロは、キロ5分で行けと言ったでしょう」と怒られてしまう始末だ。AIはお世辞がやかましいので、基本辛口設定にしているがこの時ばかりは辛口が実に身に染みた。

 

※ドラゴンボールのフリーザの格好をして走っている人がいて、その人が面白いからと、着いて行ったらこうなってしまった。彼は速いのに、道行く人に手を振り、感触が良ければデスビームを打ったり最高にサービスが良く、後ろから見ていて気持ちが良かった。10キロ以降完全に置いて行かれたが。

 

ただ同時にAIに「走る土台は出来ていて、後はペース配分さえ良ければタイムは向上したはず」と言われたのは救いだった。また、来年に向けてスピード練習の重要さや、ビルドアップ(後半段々ペースを上げて行く)など、効果的な練習の必要性についても教えてもらい、早くも来年度に向けて始動!という感じがしているところ。

 

思えば、確かに今回は「総練習距離700キロを越える」と目標に掲げていたが、それを良いことにただただ漫然と距離を走っていただけというように思えなくもない。若りし頃、陸上部だった時はまさに、効果的な練習をちゃんとやっていたではないか。

 

でもまあ、一先ず大会を終えたということで「家断酒」の禁を解き、飲んだビールの味は最高の一言。「最高に旨いビールを飲むためには、ビールを飲まないこと」という、ヘンな標語を思いついた。

■青崎有吾「地雷グリコ」

2023年に複数の文学賞を受賞している、評価の高い本ということで読んでみた。「じゃんけんのグリコ」とか「神経衰弱」とか「だるまさんが転んだ」など、日常の遊びを題材にした頭脳戦ミステリであり、主人公は一見普通の女子高生なのだが、普段から観察眼やものの見方が特別で勝負事にめっぽう強い。

 

表題の「地雷グリコ」は、文化祭のクラス展示で一番人気の屋上エリアを使用する権利を得るため、生徒会役員と「愚煙試合」を闘う。約50段の階段を使ってじゃんけんの「グリコ」をするのだが、双方で各階段に「地雷」を3発設定でき、相手がその地雷の段に止まってしまったら、爆破ということで10段降りないといけない。

 

序盤、生徒会役員の術中にハマり2回も地雷を踏むなど、ずーっと劣勢に見えた主人公だが、すべては計算であり、実は逆に相手をハメ返していた。最後、相手を被弾させて10段降りさせたところ、その段にはまた地雷があり爆破で10段。しかもそこから10段降りたらまた地雷!と、一気に30段も敵を引きずり落としてしまう。物凄いカタルシス。

 

この手の作品だと、思い出すのは漫画「嘘食い」だな。あれもまた、主人公が天才的に敵をハメてギャンブルで倒していく。大好きな作品なので、「地雷グリコ」もまた嫌いであろうはずがなく最後まで一気に読めた。何かと、論理的に状況を説明しないとだめで、要所要所に解説のため図が示されるなど、もしかして「小説じゃないほうがいいのでは?」とも思えたけど、そういうのはさておき純粋に面白かったです。

 

●キャラクター:4ポイント

なんと言っても主人公のどこか抜けた、でもそれでいて思考が鋭すぎるという個性が面白い。あと、「地雷グリコ」で戦った生徒会役員も真面目・堅物系だがキャラが立ってて面白い

●世界観・雰囲気:4ポイント

論理的思考や作戦の組み立てはシリアスだが、題材はおなみじの遊びであり、闘う理由も高校生の域をそんなに超えてなく、そのギャップがどことなく独特の面白い雰囲気となって醸し出ている。

●ストーリー:2ポイント

勝負の面白さを楽しむ作品でストーリーは普通な感じがした。だが普通というところが、いかにも高校生の年代という感じで、いいと思った。

●読みやすさ:4ポイント

勝負がシンプルに面白いので、のめり込みどんどん先へと読み進めたくなる。

●どんでん返し:4ポイント

一つの勝負に必ずあっと驚く、主人公によるどんでん返しがある。まさかこうくるか!という驚きが必ずある。

 

 

■アヒルと鴨のコインロッカー

「現在」と「二年前」のパートを交互に繰り返しながら、「川崎」を中心とした周りの事件と、その顛末が少しずつ明らかになっていく。正直なところ、後半に差し掛かるあたりまでは「退屈だな、そして長いな~」とか感じていたのだが、250ページ過ぎに鬼デカな叙述トリックを被弾して、それがわかった時の衝撃で一気に引き込まれてしまった。

 

まさか、「二年前」パートで出てきた日本語カタコトの留学生ドルジが、「現在」パートの川崎と同一人物だとは思わないじゃないか。「二年前」パートにも川崎とドルジが登場しているのだし、「現在」パートで川崎(正体:ドルジ)が日本語がペラペラになっているから、こんなの絶対にわかるわけがない。知らずに読めば絶対に全員が騙されると思う。

 

じゃあ「現在」パートの本当の川崎はどこにいるんだ?とか、「二年前」パートのドルジは「現在」の隣の部屋にいる留学生なんじゃないの?とか、「二年前」にだけしか登場していないあの人は今どうなってんの?とか、大量の疑問が一気にブワーっと膨れ上がり、もうそこからラスト100ページくらいは一気、よ。伏線も利いてて、あの時のあの会話のやりとりがここで出てくるのか!と大変楽しませてもらった。

 

読後感はせつなく、もっといい結末があったろうに…としみじみ思ってしまうような、終わってしまうのがもったいないような、不思議な気持ちが湧き上がってくる。いい内容だったように思う。(ただ、この作品って映画になってるみたいだがあの叙述トリックをどうやって映像化したというのか!?)

 

●キャラクター:5ポイント

なんと言ってもイケメンの川崎。そしてドルジと琴美が本当にキャラクターが立っている。

●世界観・雰囲気:4ポイント

せつないの一言。読み終えてから本を閉じ、「アヒルと鴨のコインロッカー」というタイトルを眺めると「あぁ~…せつない」とつぶやくこと必至。

●ストーリー:4ポイント

なんてことない日常なのに、偶然見つけてしまった「連続ペット殺し犯」に、住所がバレてしまったあたりのじわじわやってくる恐怖。またさっきも書いたけど終始漂う、せつない空気感。

●読みやすさ:2ポイント

250ページまでは正直耐えるポイントだと思う。でもこのあたりが全て「フリ」になっているからちゃんと読まなければならない。この手の、「最後壮大などんでん返し」で魅せる作品って、どうしても序盤耐えるパートがあるように思う。ここすらも面白かったら、それこそ大傑作、ということになるんだろうか。

●どんでん返し:5ポイント

これはやられました。ドルジのほかにも、琴美の存在も一度どんでんやられておりリアルに「ん?え?」と発声することになります。

いよいよ明後日、令和8年4月19日の日曜日にあおもり桜マラソンが行われる。

 

自分はこの大会に向けて昨年6月から練習を始めたが、一つの大会に向けて10か月も準備したのは初めてのことなので、内心かなりドキドキしているところ。今は、なんとか減量が間に合った体重を増やさないことと、風邪を引かないことと、きちんと寝ることを気を付け、健やか・朗らかに生活することを心がけている。

 

これまでの練習については、走るたびに距離とペースと、一言所見みたいなものをエクセルに記録してきたので割と具体的に振り返ることができる。今回はせっかくだからそのエクセルを読み返しながらこれまでの練習の成果を思い出し、本番前の緊張感とともに噛みしめてみたい。

 

令和7年6月は、練習を始めたてということもあり1回の練習の距離数は「3キロ~5キロ」ばかりで、ペースも一度もキロ6分を切ることはなかった。右足の太ももが痛いという話と、走っている最中何度も休憩を挟んだとの記録が残っている。今にして思えば3キロを6分で走るなど、良い練習とはならなさそうだが、この時点での自分においてはこれが精一杯だった。

 

8月頃には大体7キロくらいを走るようになり、時たま10キロ走も行っていた。またペースもキロ5分50秒台を記録するなど段々と足がマラソン仕様になってきた印象あり。この頃は土日の早朝に「ワクワク広場」まで行ってジョギングコースを2周して戻る、みたいな練習がトレンドだった。広場のベンチで大学生が酒飲んでオールしているところを見たのも確かこのあたり(懐かしい)。

 

9月はかなりやる気が落ちて、月間40キロすらも走らず。でも10月になると、一回のランで10キロは当たり前になり、最長13キロまで伸ばせるようになった。ただしこの時期が自分の体重のピークであり、毎回練習のため外に繰り出すのが心の底からイヤで、一番、自分自身と闘った時期だなという気がする。とにかくドスドス走ってがむしゃらに頑張った。

 

12月にインフルを罹患し、練習を2回トばす。療養中ずっと寝ていたから、足の筋肉とともにやる気もガクっと落ちて一歩間違えればマラソン練習も辞めていたかもしれない。幸いなことにこの時は(もう一度強調して書くが、「この時は」)青森市内は雪が少なく、練習を再開するには悪くない状況だったのが、本当に良かったなと思う。

 

1月は歴史的な超ドカ雪(積雪180センチ)。雪が本当に凄すぎて、全く外を走れず、ていうか雪かきで練習が完全にストップしてしまう。やっと走れても吹雪に合うなど、環境は地獄そのものだったのだが、ここで室内練習場の「サンドーム」を走るという、これまで「狭いし飽きるから無理」と選択肢に一切入っていなかった練習方法を取り入れ、案外イケることに気が付き、なんとか練習を続けることが可能となった。

 

2月からは減量のため、家での飲酒を封印。3月中旬まで全部の練習がサンドームだ。一度に40周も走るから周数を数えるのに苦労するところ「指に輪ゴムをはめて、一周するたびに輪ゴムを隣の指に移動させる」方法を編み出したお陰で、無理なく、音楽を楽しみながらも正確に走ることができた。野球部の高校生?らのハイペースに張り合って、ムキになって走ったのもいい思い出だ。

 

3月後半から雪が溶けて外練習を再開する。この時に人生初の21キロ走を敢行したし、自分なりにテーマを設けて練習出来た気はする。ペースも部分的にながらも5分20秒台で走ることもできるようになった。

 

それで今日、本番2日前という所で、最後にゆっっっくり3キロ走って、全ての練習は終わりだ。6月から数えて総走行距離748キロ。自分なりによく頑張ったなと思う。19日の本番後は、酒を大解禁して、思い切り飲んで死んだように眠ろうと思う。焼肉も食べにいきたい。目標タイムの1時間43分代が出せたら、また一際美味しいお酒になるだろうな。

青森市駅前、前まで「中三(なかさん)」があった場所に建てられた「THREE」という施設に、県内初出店で「バーガーキング」がオープンしたということで、本日一家で食べに行って来た。

 

オープンしたのは3月で、前情報で「行列が凄い」と聞いていた。青森市民はめっぽう外食が好きなのか、めずらしもの好きなところがあるのか、とにかく「今まで青森市に無かったチェーン店」がオープンすると大勢が一斉に食べに来るところがある(最近でも「松屋」、「丸源」が凄かった)。10時オープンのところ早めの9時48分に現地に到着したら、運よく行列1番手だ。

 

それで自分もしっかりその勢いに乗ってしまっているのだけれども、ハンバーガーと言えばマックとモス以外の選択肢が無いので大変興味があった。バーガーキングのメニューで良く出てくる「ワッパー」という言葉は、調べたら「でかいもの」「桁外れなもの」ということらしくて、いかにも自由の国アメリカ!豪快で荒々しく、臭みのあるハンバーガーなのかなってイメージが湧いていた。

 

いざ「ワッパーチーズ」を食べてみた。見た目はかなりデカく、玉ねぎとトマトがドンと乗っておりやはり豪快。味は野菜がザクザク、その割に味付けが繊細な感じがする。ウマい!最初、腹減ってたから「ダブルワッパーチーズ」にしようとしてたが、ダブルだとカロリーが950越えと突き抜けてたし、普通のでも十分大きかったから良かったかも。ポテトはケンタッキーのとほぼ同じ。

 

ちょっとな~と思ったところは、玉ねぎとトマトそのものが大変冷たいせいで、ウリの直火焼きのお肉があっという間に冷えてしまっていることか。食べてる終盤はもはや「冷たさ」すら感じながら、出来立てのはずのバーガーを食べた。この点は、明確にマック・モスのほうが上だった。思えば、自分が今日一発目の客だったから野菜が冷たすぎたのかもしれない。

 

食べながらレジの当たりを眺めたら、とんでもない行列ができていたので、次回来るなら今度はもう少し勢いが落ち着いてからにしたい。他にもいろんなバーガーがあったから、また来ていろいろ食べてみたい。

令和8年6月から練習を開始した「あおもり桜マラソン」の本番がいよいよあと一週間に迫った。ラスト一週間、体調管理が凄く大事になってくる。

 

振りかえればマラソン大会にはこれまで何度も参加している。20代~30代前半までの比較的仕事が余裕があった時期、春は五所川原市の「走れメロスマラソン」か八戸の「うみねこマラソン」、夏は青森市の「AOMORIマラソン」、秋は弘前市の「アップルマラソン」と一年で少なくとも3回は出場していた。さらに単発では横浜町の菜の花マラソンとか、六ケ所のメープルマラソンにも出たことがある。

 

あの時は、正直今みたいに「練習のスケジュールが…」とか「体重を管理して…」とか「ラスト一週間の過ごし方が…」とか一切考えてなくて、なんなら本番2日前に強い負荷のかかる練習を入れて、まだ「練習で足が速くなれる」と思い込んでいたり、前日にデカ盛りのお肉料理食べたり、気合勝負・感覚勝負で自由自在だった(そのくせに若さが炸裂して今より全然速かったのが悔しいが)。

 

今は「ほぼ久々に走り始めた40代」ということであちこちに気を使わなければならない。いろいろ調べて、一先ず昨日(11日)を最後の「強い練習日」と設定し、サンドームで13.5キロを走った。次は14日の火曜日に気持ちゆっくり目のペースで10キロ走り、木曜日には全くのジョギング・散歩かよと思うペースで3キロ走ろうかなと思っている。いかに自分の走力を落とさないで、疲労だけ抜き、本番を迎えるか。

 

また、なんでも「カーボンローディング」というのがあり一週間前から「炭水化物」を多く体に貯め込む作業も必要だと。体重を落としたいからむしろ減らしたいところ、炭水化物は走るエネルギーだからということで、意味はわかる。明日から、夕ご飯後に余計に「おもち」を2つずつ食べて行くこととする。加えて、本番の走っている最中に飲む「ウイダーinゼリー」的なものも買った。

 

下準備、前準備という意味では過去イチで万全!という感じはしている。けれども、自分にとってこれが最善なのかどうかが、どうも全くわからない。もしかしたら、20代の頃よろしく本番2日前に全力追い込み練習をやるほうがいいかもしれないのだ。

 

きっと他のランナーも今頃みんなあれこれ対策をやっているのだろうな。緊張感が高まってきた。そのくせ今日はこれから「バーガーキング」行くが。