ゴキブリ殺したよ☆ | みかんの落書き!

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下ノ畑ニ居リマス

 さっきお風呂に入ろうとしたら、途中、台所でゴキブリを見た。

 殺虫剤を使って殺すことにした。

 何度か殺虫剤をかけて、漸く動きが止まった。

 しかし、まだどこかでカサカサと音がする。

 どうやらもう一匹居るらしい。

 ゴキブリの潜んでいそうな物陰を、殺虫剤のスプレー缶の尻でどんどんと叩いてみる。

 すると、物陰からゴキブリがもう一匹出てきた。

 それにも殺虫剤をかける。

 動きが止まるまでかけ続ける。


 動きが止まったとは云え、まだ奴らは死んでいなかった。

 ひっくり返って仰向けになったまま、足をぴくぴく動かしている。

 気持ち悪い。

 割り箸で掴んで捨てるつもりだが、まだ息のある間はとても触れられない。

 掴んだ瞬間に、奴らはよりいっそうもがくに決まっているのだ。

 するとどうなるか。

 奴らがもがくその振動が、箸から私の手にまで伝わってくるのである。

 想像しただけで気色が悪い。


 そこで私は、動きが完全に止まるまで待つことにした。

 本当はゴキブリの側になんか一秒も居りたくないのだけど、もし目を離した隙に復活したらと思うと怖かった。

 もし復活したら、それはそれは恐ろしい事態である。

 だから、確実に死ぬまで見届けねばならない。

 しかし、奴さんこれがなかなか死なない。

 時折、思い出したかのように足をひくつかせる。

 大体五分ぐらいはそうやって、じっと二匹のゴキブリを見続けていた。


 そんだけ長い間見続けていたものだから、そのグロテスクな容姿にも少し慣れてくる。

 すると、同じ種類のゴキブリでも、この二匹の間には少しだけ違うところがあることに気付いた。

 大まかな特徴は同じだが、一方のゴキブリは色が濃く、もう一方はそれに比べると少し薄い色をしている。

 体長も少しだけだが、濃いゴキブリの方が大きい。

 まだ完全に動きは止まっていなかったが、端で掴んでも振動が伝わってこなさそうなぐらいには鈍くなっていたので、私はその二匹のゴキブリを並べてみることにした。


 ニ匹の違いは、裏返してみるとより良く区別できた。

 まず、色の薄いほうのゴキブリは、濃いほうのゴキブリよりも体長に対するお腹の長さが長い。さらに、長いだけでなく、薄いほうのゴキブリのお腹は少し膨らんでいる。

 おそらく色の薄いほうが雌だろうと思って、インターネットでクロゴキブリについて調べてみた。

 その結果、どうやら私の予想は当たったようだった。

 薄いほうのゴキブリは子持ちだったらしい。

 産卵前にぶっ殺してよかったと思う。

 本当にそう思う。


 クロゴキブリの雌雄の違いがわかったところで、私は中々動きが止まらないゴキブリ達にトドメを刺した。

 洗剤攻撃である。

 元々弱っていたこともあって、間もなくゴキブリ達は完全に動かなくなった。

 私はそれを見届けてから、彼らをティッシュで包んで手厚くゴミ箱へ葬った。

 本当は荼毘に付して分子レベルまで分解したいぐらいなんだけど、なんか燃やしたら臭そうなので止めた。


 こうして、私はクロゴキブリの雌雄を見分けることができるという、無駄な能力を身につけた。

 お風呂入ってきます。