友達が子供連れて家出して来た | みかんの落書き!

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下ノ畑ニ居リマス

 あれは先週の土曜の夜だった。

 仕事が終わり帰宅してお風呂に入りご飯を食べ終えた時のこと。

 家のチャイムが鳴った。

 誰やこんな時間(七時半)に……と思いつつ玄関の戸を開けると、そこには懐かしい人間が立っていた。

 懐かしすぎて誰だかわからず、一瞬ラリったDQNがカチコミに来たのかと思って警戒した。

「久しぶりw」

 そのDQNは笑顔で言った。

 友人との再会だった。


 友人とは、長い間連絡がつかなかった。

 携帯電話が壊れてデータが全部消えていたらしい。

 そういえば中学の時から数えて三回ぐらい似たようなことがあった。

 一度連絡がつかなくなると、一年はそのまま音沙汰がない。

 音沙汰の無いまま一年二年たって、友人は我が家を突然訪問してくるのである。

 こっちから会いに行くことはない。

 会いに行こうという気持ちはあるが、そもそも住んでいる場所を知らない。

 いや、大体のところは知ってるんだけど、なんか、探すのめんどくさい。

 たぶん私が行かないから向こうからくるんだろう。

 手間が省けるからそれでいいと思う。


「おー、久しぶり!wwww」

 私は友人の背をバシンと叩いた。

「痛い!www」

 嬉しさのあまり、つい力が入ってしまったらしい。

 それから私達はお互いの近況報告にはいる。

「そういえば子供は何歳なるん?」

「三歳。今日連れて来てんで」

「おお、マジでwww車の中?」

「うん」

 私は友人と共に玄関前に停めてある自動車を覗く。

 自動車の後部座席で幼子が眠っていた。

 その男の子の顔が母親に似すぎて吹いた。

「なんかこの子、前に見たときと顔変わっとんな」

「前っていつやったっけ?」

「いつやったかな……」

 二人ともいい加減だった。


 そしてなんやかんや話す内に、友人は子供を連れて家出をしてきたのだと言った。

「なんでまた家出なんかしたん?」

「話せば長くなるんやけどな……まあ、とりあえずマクド行きながら話すわ」

 私達は後部座席で幼子の眠る自動車に乗り込む。

 そして、車が動き始めると、友人はことの顛末を語った。

 どうやら夫婦喧嘩して、子供を連れて出てきたらしい。

 子供は明日、実家に預けにいくそうだ。

 で、家出のついでに私に会いに来たのだと言う。

 以上。

「話せば長くなるってwwwww出発して200mで終わったやんけwwww」

「ほんまやなwwww」

 その後、マクドに到着した。

 友人は子供の分とあわせてなにかセットを頼んでいたけど、私はさっき食べたばかりだったので飲み物だけにした。

 子供は起きなかったけど、とりあえず抱いて店内に連れて行った。



 気が向いたら続き書きます。