統一教会には既成祝福というのがある。家庭を持ってから入信し祝福を受けることを意味している。
しかし、大きな問題がそこにはある。
既成祝福を受ける前に生まれた子と祝福後に生まれた子への差別である。
統一教は韓国国内でも、祝福前に生まれた子はサタンの子と教えているようである。
その被害に遭った方の証言の「現代宗教」の記事をサランヘヨさんが、急きょ翻訳をされて送っていただいた。
統一教 合同結婚式被害者の話
~他人と祝福を受けるわが子の父親~
取材/文 チャ・ジニョン
2009年10月14日、忠南・アサン市の鮮文大学校の広場には、タキシードとウェディングドレス姿の新郎新婦、数千カップルが集まる珍風景が演出された。
統一教主催の合同結婚式“10.14 真の父母天主祝福式”に参席するため集まった人達である。統一教は“神様と人類の希望 真の父母”である文鮮明氏夫婦が祝福する行事だと言い、国内外のマスコミを通して大々的に宣伝した。
インターネットで偶然統一教の合同結婚式の記事を見たA女は、天が崩れるようだったという。統一教の合同結婚式の被害者A女に、どのような事情があったのか?A女の被害事例を再構成してみた。
・統一教を信じない者が産んだ子供は“サタンの子”
A女とB男は数年前、C国での語学研修の間に出会った。
語学研修を終えた後、韓国へ戻ってからも交際を続けて結婚の約束をした。
B男と彼の家族は統一教信者であったが、宗教がなかったA女はさほど気にかけなかった。そんなある日、A女はB男の子供を妊娠した事が分かった。A女はB男に両家の家族に妊娠を知らせて結婚しようと話した。
しかしB男の家族は、その年の秋に統一教の“祝福式”があるので、A女に統一教の修練院に入り教育を受けるように言った。A女はB男の家族の話を聞き、統一教の修練院に入った。
統一教の修練院で教育を受けたA女は“統一教を信じない者は、汚い血が流れている”と、その間に産まれた子供は“サタンの子”だという話を聞いた。
これに大きな衝撃を受けたA女は、統一教を信じることはできないと言い、B男の家族はA女を受け入れることはできないと言った。
A女は自分の子供を“サタンの子”と呼ぶ彼ら を信じることができなかった。
A女は結婚を諦め、未婚の母の道を選択した。
・消えたB氏は統一教の新郎に
いつの間にか子供は5歳になった。A女は子供の母として落ち込んでいることは出来なかった。生計を立てるためどんな事もしなければならなかった。
インターネットで仕事を探している中、“統一教 合同結婚式”というニュースが目に入った。B男を思い出させる統一教関連の記事だった。見たくはなかったが、A女は自分でも知らないうちにニュースをクリックしていた。
A女とは何の関係もないように見える、幸せそうに笑っている何組もの新郎新婦の写真が目に入った。スクロールを下ろし、ボーッとモニターを見ていた。そこでA女がハッと我に返った。素早くスクロールを上げ、少し前の写真を見た。
よく見ると、一人の新郎が知っている顔だった。写真の中で新婦と笑っている彼は、
まさに自分との同居生活を通して子供まで作ったB男だった。B男はA女に傷だけ残して逃げたのだ。
統一教は2009年10月14日の合同結婚式に対して、“人類の救世主である真の父母”である文鮮明氏が主礼を務める、数千組の美しい夫婦が誕生する祝福式であると国内外のマスコミに宣伝した。しかし上記の被害事例を見ると、自身が真の神様であり救世主と主張する文鮮明氏夫婦が主礼を務める合同結婚式が本当に“美しい夫婦”たちの“祝福式”なのか疑問である。
『現代宗教』5月号より翻訳・引用(サランヘヨ)
10,000 marriages: Big white wedding for Unification Church