健側の挙上術(3) 症例の紹介➀ | Life can be beautiful. (みかこクリニック院長 高木美香子のブログ)

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最近、当院で『健側の挙上+減量』を行った患者さんで、写真掲載のご了承をいただけた方がいらっしゃいますので、その方の経過をご紹介したいと思います。

 

写真はこちらからご覧ください。

(アメブロでは写真の掲載ができないため)

 

下垂した健側の乳房をブラジャーで持ちあげない前提なら、下垂した位置にインプラントを留置するという選択肢もありますが、それでは洋服を綺麗に着られません。かといって、現在の乳房下降線の位置に合わせてインプラントを留置すれば、シミュレーション画像をご覧になって頂いてよく分かったと思いますが、その左右差は著しい状態になったと思われます。そもそも、人工物で左右対称な胸を再建することは不可能なのですが、それでも、「挙上+減量」をすることで著しい左右差は改善されたと思います。

 

今回ブログへの写真掲載をお願いした患者さんは、乳癌術後の状態を誰にも見せていないとご家族から聞いていましたので、お願いするかは本当にとても迷いました。しかし、以前に記事にしたように(コチラ)、健側挙上に関する情報があまり知られていないという問題意識を持っていたため、現在通院中であった患者さんに思い切ってお尋ねしてみたところ、「自分もそうやって他の患者さんの体験を参考にさせてもらった。そうやってこのブログと先生にたどりついたから、どうぞ使ってください。」と穏やかにおっしゃてくださいました。きっと少なからず葛藤があったのではないかと思います。ご了承くださった患者さんには心から感謝したいと思います。

 

 

ところで、このような記事を書いていますが、私自身どの患者さんにも健側の挙上・減量術を気軽にお勧めしているわけではありませんし、そもそも気軽に行えるものでもありません。この手術を予定する場合には、フォローアップされている乳腺外科の先生が反対されないか、必ず確認する必要がありますし(健側に手を加えることを良しとしない乳腺外科の先生もいらっしゃいます)、主治医の反対を押し切って手術を行い、患者さんと主治医の関係が悪くなっては困ります。健側の挙上・減量を行うということは、その手間をかけてでも、どうしても健側に手を加えざるを得ないほど左右差が著しいという場合だとお考え頂きたいと思っています。