今回は3D画像撮影装置の代表的な機能を箇条書き的に紹介します。
(1)自動計測
コンピュータの指示に従って、撮影された画像にポイントを打っていくと、自動的にポイント間の距離などの計測を行ってくれます。この計測値は、乳房再建をする上でも非常に参考になる値となります。

(2)乳房全摘の状態をシミュレーション
膨らんでいる乳房を手動でへこませ、全摘の状態をコンピュータの画面上で作成することが可能です。画面上における乳頭乳輪の部分に色を被せて隠してしまうことで、全摘後に非常に近い状態を見てみることができます。ただし、手術により実際に入る傷が、画面上では入らないため、実際よりもきれいにみえてしまうということはあります(いずれ傷を書き込むような機能が追加されるのかもしれません)。

(3)インプラントシミュレーション
全摘した状態にインプラントを入れるとどうなるかというシミュレーションが可能です。シミュレーションできるインプラントとして、世界各国の7社のラインナップがインプットされており、好きなインプラントを指定してシミュレーションしてみることができます。日本では現在のところAlagan社のものしか保険が適用されないため、実際にはAlagan社のインプラントでしかシミュレーションすることはありませんが、将来的には保険適用となるインプラント会社が増えるでしょうから、多様なインプラントでシミュレーションできる機能が搭載されていることは有益だと思います。

(4)健側つり上げ術シミュレーション
下垂した乳房を挙上したり、大きい乳房を減量するとどうなるかをシミュレーションすることが可能です。

デザインは乳輪周囲切開、垂直切開、逆T字切開の3種類が選べます。

本格導入前にお借りしたデモ機についてきた機能では、両側でしかシミュレーションできませんでした。しかし、乳房再建でこの機械を活用しようとする際には、患側はインプラントで、健側はつり上げ術でというように、左右別々のシミュレーションができなければ意味がありません。そのことを業者さんに伝えると、(驚くべき迅速さで)アメリカの本社と交渉してくださり、なんとすぐに、左右別々にシミュレーションを可能にするソフトウェアを開発して頂けたのです。素晴らしい対応力に脱帽、そして感謝ですが、これによって(4)の機能が追加され、より有益なシミュレーションが可能になりました。
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