江 第31話「秀吉死す」

秀吉は朝鮮出兵をもくろみ、そんな中、江は秀忠の子を身ごもります。生まれたのは姫様。女の子で、千と名づけられました。生まれたばかりの千は、秀吉の息子・秀頼の許婚に。いくら豊臣家と徳川家のつながりを深いものにということでも、政治の道具にされるような生き方に胸が詰まりますね。秀吉の体調は悪くなり、伏見城で遺言を三成に伝えます。この三成と秀吉の関係も胸が詰まります。三成は自分の出世を第一に考えて秀吉の顔色を伺い生きている。萩原正人さんのいつも唇を食いしばっている演技に心がクっと苦しくなります。五大老の中で家康を先頭に置いたことを三成は五奉行なので、おもしろくありません。後に、関ヶ原の戦いで三成VS家康として戦うこと、小さな火種がこの時すでにおきていたかもしれませんね。息子、秀頼を支えるように周囲に伝える秀吉。京極龍子さんも、嘆き悲しんでいます。豊臣秀吉のことを私なりに考えたときに、女好きとか派手好きとか、下克上、天下人として散々私欲をつくした人物のイメージがありますが、側室や親を殺された茶々でさえ、秀吉が亡くなるのをとても辛く悲しんでいる様子をみると、この秀吉の本来の優しさとか魅力を感じられて切ないです。完全に悪い人などいないと思うのです。江と秀吉が語るシーンでは二人の間の深い憎しみや愛を感じられて何ともいえない気分になりました。「幸せになれ」秀吉から江へ送った言葉。この言葉一つで秀吉への憎しみが消えちゃったりするのですから、大河ドラマ「江」の中での秀吉に、江も私たち視聴者も散々振り回されてしまいましたね。北の政所とのお別れのシーン。私も涙がとまりませんでした。