歴っしゅ!



「江」 第3話「信長の秘密」 感想

先週の出会いから、すっかり叔父の織田信長の魅力にひかれてしまった江。
ところがその信長は、徳川家康の長男・信康に切腹を命じていました。家康は信長にお世話になっているとはいえ、
別に家来っていうわけじゃないし、っていうか家来だったとしても子供を切腹させるなんて普通じゃないですよ。
この大事件、家康の妻の築山殿と、信康の妻の徳姫の間の嫁姑問題がきっかけでした。

家康はかつて今川義元の配下だった時代があり、その頃に築山殿と結婚していたのですが、桶狭間の戦いでその今川義元が討たれると、
今度は信長と同盟するようになり、そのときに徳姫と信康が結婚したのでした。
つまり、家康の奥さんは今川の人間で、信康の奥さんは織田の人間。仲良くやっていけるわけがありません。

そして直接のきっかけになったのが、築山殿がスパイになって徳川と織田の情報を武田信玄に流してるんじゃないかという疑惑を、
徳姫が信長に告げ口したこと。
その報告を受けた信長は、信康を切腹させて築山殿を殺すように家康に命じたのです。

この事件の真相、信康が優秀すぎたために信長が警戒したとか、信長が家康を試したとか、市は予想してましたね。
他にもいろんな説があるのですが、家康の家臣同士の派閥争いの影響があったともいわれています。
戦国時代、父と子が争うことはよくありました。武田信玄も自分の父親を追放しています。

この事件の理由をどうしても知りたい江は、信長に手紙を書き、安土城まで会いに行きます。
安土城で会った信長は、洋服を着て登場!かっこいいです。
当時は、黒船が来た幕末と同じで、西洋の文明とのつきあい方を考えないといけない時期でした。
特に鉄砲やキリスト教はやがて日本中に広まっていき、時代を動かすようになります。

信長は、どんどん日本に押し寄せてくる外国の勢力に征服される前に、日本がひとつにならないといけないと考えていました。
そのために、早く天下を統一し、物流の仕組みを整えたいと思っていたというのです。
なんだか、まるで坂本龍馬みたいな信長ですね!

宣教師ルイス・フロイスや千利休といった魅力的な自分には身分や人種をこえて接する信長。ますます龍馬っぽいですね!
ただ龍馬と違うのは、部下を殴ったりするところ。明智光秀のうじうじしたところにイラッときたみたいですね。
でも、だれもが信長や龍馬みたいな開放的な考え方ができるわけじゃないんです。
世の中が大きく変わることを受け入れたくない人はいつの時代でもたくさんいます。

それにしても、その信長に対しても自分のセンスを堂々と主張する千利休はさすがです。
当時、茶道が武士の間に大流行していました。レアものの茶器は城ひとつとおなじぐらいの価値があるともいわれていたのです!

信長のペースで安土を連れまわされた江は、結局、肝心な話はできずじまい。
翌朝こそはと思っていると、そこに呼ばれてきたのは、おねでした。のちの北政所、つまり秀吉の正室です。
おねはまず、秀吉が浅井長政を滅ぼしたことをわびました。この人も、今後ずっと三姉妹の人生に深く関わってくる重要人物になるでしょう!
交わす言葉のひとつひとつが後々の伏線になってきそうな気がして、目が離せません。

江は、びわ湖の上で今回の事件についてやっと信長に直接聞くことができました。
信長が語ったのは、自分もかつて弟に殺されかけ、逆に弟を殺したという話。戦国時代って、ほんとうにこういう話が多くてエグいです。

信長は、今回の件は家康が自分で選んだことだと言いました。
たしかに、本当に嫌なら、家康は信長の命令を断ったり許しを請うこともできたはずです。
同盟関係を解消して、本当に武田信玄と組むっていうパターンもあり得たわけですし。

しかし家康はそれをしなかった。
ものすごく究極の選択だったと思いますが、妻と息子の命よりも、徳川家を守ることを選んだということでしょうか。
これは観る人によって解釈がそれぞれに違ってくるシーンだと思いました!