12月1日のことを、記憶が新しいうちに書き残したいと思います。



いつも通り朝6時頃に起床し、眠っているシニさんの顔を見に病室に行きました。


呼吸も安定していたので、「今日も生きてくれるんだ、大丈夫。」と思いました。



朝7時頃、看護師さんが、

「脈が少し弱いこと、尿が出ていないことが気になる。昨日は便も出ていたのに、今日は胆汁になってる。これもあまり良くない。」

と教えてくれました。


「尿が出てくれたら良いんだけど…。様子を見ましょう。」

とのこと。



シニさんが深い眠りに入って7日目のことでした。



こんなに穏やかに眠っているんだから、大丈夫だよね…

まだ側にいてほしいよ…


いろいろなことを考えました。



お昼が過ぎて、呼吸も安定していたので、

1時間だけ徒歩5分のところにある区役所の子育てセミナーに参加してくることにしました。


「1時間だけ行ってくるよ!」

シニさんにそう伝えました。



区役所では、おもちゃも用意してもらえて陽向も楽しそうでした。



終了の10分程前、1本の電話がセミナーの部屋にかかってきました。


「病院から、お電話です。」


頭が真っ白になりました。


病院に急いで戻ると、シニさんの呼吸が明らかに変化していました。

下顎呼吸です。



間に合って良かったとほっとする気持ち、

さっきまで穏やかだったのにと思う気持ち、

苦しくないのだろうかという気持ち、

そしていよいよその時が来るのだろうかという気持ち。



ぐるぐると考えました。



「朝までもつかどうか。」
とお医者さんから言われました。


陽向どうしよう。
病室から離れたくない。

家族の皆さんに伝えると、ベッドを作ってくれました。


バッチリなベッドが出来上がりました!
有難かったです。


そして、17時頃に陽向も昼寝から目が覚めました。

次は遊び場が欲しい…


家族の皆さんと病院の皆さんが、ダンボールやシーツを床に敷いて、陽向の遊び場を作ってくれました。


そこで陽向を遊ばせながら、ワイワイしていると、看護師さんが来て、
「最期の時がきたようです。」
と伝えてくれました。


シニさんの呼吸は止まっていました。


いつかその時が来る

分かっていたけれど、本当に来てしまった。


手がまだ温かくて、いつまでも温かくいて欲しくて、何度も握ったけれど、どんどん冷たくなっていってしまって、なんとも言えない感情が押し寄せてきました。


胸の辺りがちぎれそうになり、この世から消えてしまいたいような気持ちになりました。


シニさんは、最期まで和気あいあいとした雰囲気の中、穏やかに息を引き取りました。

陽向の笑い声が病室に響いていました。

きっと、幸せな気持ちでお浄土にかえっていったのだと思います。


また会えるその日まで、
恥ずかしくないように一生懸命生きるね。
そこで、たくさん話をしようね。