今日のシニさんはかなりしんどそうでした。

睡眠薬のせいか意識も朦朧とする中、少しお話してくれました。


死とは祝福であり、そして解放である


お念仏は真言である


お浄土がそこにあるということは、祝福と解放であり、お浄土という概念こそが救いである


それは囚われがなく、自由で平等で美しい世界である


(新婚旅行 波照間島にて)


シニさんといると、2つの感情が湧いてきます。


「できるだけ長く一緒に居たい」

「この苦しみから早く解放されて欲しい」



痛み、しんどさが強くなってきていて、睡眠薬でずっと眠った状態となる時が近づいてきたようです。



帰り道、寄り添った老夫婦、公園で遊ぶ親子、赤や黄に染まった木々、澄んだ空、全てが眩しく思えて、気づけば下を向いて歩いていました。


涙がこぼれそうになり、慌てて上を向きました。



シニさんが癌になっていなければ、陽向と出会うこともなかったでしょう。


てくてく歩きながら、シニさんの言葉を反芻しました。


しっかりしなければと思うけれど、やっぱり私も弱い心がある。


別れが辛い。

なぜ、という気持ちが溢れる。


(陽向お食い初め)


でも、これだけは言える。

一番頑張ってきたのはシニさんなんだ。

だから、今はゆっくり休んで欲しい。

自由で平等で美しい世界に行くまで、静かに見守らせてね。


出会えて、たくさん笑って、

陽向が生まれて、

新しい思い出までもらって、

やっぱり私は幸せです。