ふっと気を抜くと一瞬、意識が飛びます。
看護師との質問はほとんど単語での意思疎通のみ。
首を立てに振るか横に振るだけだけで精いっぱいです。
身体を動かすとフラついて転倒してしまいます。
トイレはベッドの上ですませます。
幸いなことは超閉塞により便がでないので比較的キレイな状態が維持できています。
目が霞み、文字をくまなく読めないのが困る。
思考もずいぶんとゆっくりになっています。
ただ、痛みや苦痛などは一切消えています。
孤独も不安もありません。
意識が飛ぶたびに光の世界に包まれる感覚がやってきます。
これが「死の近づき」だとしたら死は悪くない。
行為することから、
ただ存在するだけの
転換の旅のようだ。
ただ、そこに存在するだけで素晴らしい。
名もなき花のように。