■やりたい仕事の見つけ方

やりたい仕事が無いと嘆く人の話を聞きますが、

多くは最初から褒められることを前提に考えているように思います。

すぐ、簡単に自分が人に認められることはそうそうありません。

 

やりたいことを探すのではなく、やれることに意識を置いた方が良いと僕は思います。

どんな些細な事でも、やれることはあります。

やり続けることによって、その行為は悟りの境地にまでに達することが可能です。

 

周梨槃得(しゅりはんどく)というお釈迦さんの弟子が

「ちりを払わん、あかを除かん」

と一心唱え掃除をしたことで悟りの境地にまで至った話は有名です。

余談ですが周梨槃得は天才バカボンのレレレのおじさんのモデルです。

 

 

 

羽田空港を世界一綺麗な空港に仕上げた新津春子さんにも同じ感覚を覚えます。

「心を込めて、当たり前の日常を」

新津春子さんのこの言葉は本当の言葉だと思います。

 

NHKの取材の際、プロフェッショナルとは何かと聞かれた時に応えた言葉が素晴らしい。

「目標を持って日々努力し、どんな仕事でも、心をこめてできる人だと思います」

と。

いきなり何者かになろうというのは無理な話で、

日常を愛し淡々と仕事をこなす人に美しさを感じます。

日々努力した先にやりたい仕事が付いてくるのだと思います。

言うまでもなく、美智子さんから聞いた言葉と共通しています。

 

僕は患者さんから直接

「今まで受けた整体と全く違う」

「これだけリラクッスしたことはない」

「来た時と、帰る時の身体が別人」

と言ってくれます。

そして、来たら必ず次の予約を入れて帰られます。

 

西洋医学的なエビデンスは無いと理解してもらった上で、少し僕の整体の話にお付き合いください。

僕が整体を行う際、唯一気を付けていることがあります。

それは「固まりを押す」これだけです。

 

筋肉の固まっているところは、西洋医学ではトリガーポイントとされ、東洋医学ではツボと言われます。

この筋肉の固まりを見つけるには、骨、血管、神経、筋肉の解剖図を徹底的に頭に叩きこまないと見えてきません。

そして、正常な筋肉と異常な筋肉の違いを感覚で学ばなければなりません。

固まりを見つければ、どのような押し方が適当なのか経験を積まないとなりません。

 

そうして鍛錬した結果、何ができるかといえば

・目が見えない人の目が見えるようになったり

・上がらなかった腕が上がったり

・車いすの老人が歩けるまで回復したり

します。

 

それらは奇跡だと感謝されますが、これには僕なりのちゃんとした説明があります。

固まっている筋肉は、神経を圧迫します。

固まりが取れれば神経の通りが良くなります。

神経が通れば症状が改善するということです。

 

目は視神経、腕は上腕神経、足は坐骨神経を通せば驚くほどよくなります。

西洋医学の医者は筋肉の固まりをほぐすことはあまり得意ではないように思います。

 

「固まりを押す」だけの非常にシンプルな行為ですが、

17年間同じことを繰り返し、

約5万時間身体に触れ続けたことによって、

それなりの境地に達したように思います。

目をつぶっていても、触ればその人の不調はだいたい分かるようになりました。

 

お店は宣伝することなく、口コミだけで店が回るようになりました。

そうなると客層がだんだん変わってきます。

 

芸能人、政治家、医師、プロスポーツ選手、音楽家、作家と様々な職種の人たちが来店してくるようになりました。

どこから噂を聞きつけたのかわかりませんが、ドイツやカナダからも来客がありました。

 

プロゴルファーや野球選手から試合の期間、身体をメンテナンスして欲しいとお誘いもありましたが、断りました。

あくまで、地元密着の整体院というのにこだわっていました。

暖かい患者さんの信頼を裏切るわけにはいきません。

 

お店は予約を取ること自体が困難になり、

昔からの患者さんから「死ぬまで予約しておいて」といわれ、

死ぬまで予約という枠を作り、32名の方が予約を取られていました。

 

気がつけば開業してから約3年で1年先まで予約が入る整体院になっていました。

しかし、ストーカーの被害で睡眠薬と精神安定剤は欠かすことはできなくなっていました。

 

 

つづく