ボーヴォアール 「老い」

 

「老いの受容、老いをわが身にひきうけることがとくに困難なのは、

 われわれがつねに老いを自分とは関係のない異質なものと

 してきたからなのだー私はいぜんとして私自身であるのに

 別の者となってしまったのか。」

 

ブロムリー 「廃品」

 

「無用者となることは定年退職よりももっと耐えがたいことである

 なぜならば個人は社会からスクラップ(廃品)のように投げ出されて

 しまった、と感じるからである」

 

キケロ 「老いについて」

 

「自然がもたらすものに、悪いと考えるべきものは一つもない。

 老いもその一つである。

 自分には老いは決してやって来ないと平生考えていて、

 とつぜん老いにおそわれる、

 と言ってぐちをいう人があるならば、

 それはその人が自分をあざむいていたにすぎないのだ。」

 

カトー 「死の近づき」

 

「死も悪いことではない。

 死によって人間の霊魂は抹殺されるか、

 それとも永遠の生命に導かれるか、

 そのどちらかだ。

 前者の場合は何も恐れることはないし、

 後者の場合はよろこぶべきことではないか。」

 

内村鑑三 「隠退の快楽」

 

「・・・・神と語る事 比較的に多くして 人と語ること比較的 少なきにあり

 時代的事実に接すること少なくして 永久的真理に学ぶこと多きにあり

 表面的交際を避けて 誠実の友とのみ交わり得るにあり

 これ等の快楽ありて吾人は隠退の利益あるを知って

 その損失あるを知らず。」

 

良い。全て良い。