もう1週間を切ったビッグマッチ。

 

4団体統一Sミドル級王者 カネロ・アルバレスvsハイメ・ムンギアが日本時間5月5日にラスベガス T-モバイルアリーナ

で行われる。

 

カネロはメイウェザーの後、最も稼ぐボクサーとして常にAサイドに立ってきた。そしてドーピング疑惑というかドーピング発覚というか。。。そんな事もあったりで批判も受けて来た。

 

だが、私はやはりこのカネロ・アルバレスは最高のボクサーの一人だと思う。特に20年12月のカラム・スミス戦から21年11月のカレブ・プラント戦の1年で4戦、その3戦が統一戦というのは本当に凄まじいと思う。

王者クラスは年間2試合、あるいは1試合も珍しくない現在では内容も素晴らしかったので個人的には文句のつけようもないものだった。

 

この4試合で批判をする人たちの中で多かったのは、ドーピング疑惑があるから支持できないというものや相手が手を出さないというものが多かったように思う。

特に、手を出さないというものには相手がカネロのパンチにビビっているのはおかしい・八百長か?などというものもあったと記憶している。

気持ちは分からないでもない。下から上げてきたカネロは体格では劣っているはずだったから。。

 

だが、私はここにカネロの魅力があると思う。カネロのボクシング技術は相当高い。ガードの硬さ、プレスの掛け方、位置取り、距離感、上体のディフェンス技術、そしてフェイント。。。そこに精度の高いハードパンチが来る。

 

無駄のない動きもあって日本人でいえば井岡と似ているように見える。だが決定的に違うのは相手を怯ませる事に出来るパンチ力がカネロにはあって井岡には無い事だろう。井岡にはノーモーションの多彩なジャブがある。だが、少々の被弾上等で突っ込んでくる相手には手を焼く場面がある。

 

一方のカネロにはそれが無い。ハードパンチが打ててその精度も高いから相手は手を出しにくくなる。そうなってしまうと負のスパイラルに陥っていく。

 

ビボルが勝てたのは体格差なんかでは無い。ジャブがあまりにも多彩で細かく角度を変えてさらに精度も高かった事と距離のキープが出来ていた事だ。カネロ相手にこれは簡単に出来る訳もない。

 

ムンギアにこれが出来るかと言えばまず出来ない。今のカネロの弱点?と言えるのか分からないが距離の詰め方だろう。今やカネロはノッシノッシとプレスを掛けてパンチの強弱をつけるよりもいきなり強いパンチを打ち込むようになっている。

やや、雑になったようにも見える。

ムンギアはその強いパンチでいかに削られないか、そして手数を出せるか。若さはある。そしてまだ底を見せていない。

 

普通に考えればカネロの勝ちは揺るがないだろう。ムンギアの連打には隙がある。カネロのダウンシーンも想像出来ない。

 

常にAサイドで来た下降線に入って来ているかもしれない王者と若さと勢いのある無敗の挑戦者。

カネロの出来を注目したい。