仕事を中断してabemaで観戦。
こういう試合を生中継してくれるというのは本当にありがたい。
毎回、軽量級で日本人王者(あるいは日本人挑戦者)が国内で外国人を迎え撃つという構図はもう要らない。
と言うと極端かな。
とにかく日本人が完全アウェーで異国のリングに立つという事だけでも気概を感じる。
さて、試合だが試合前に相手陣営が多くリング上に立った。やっぱりリングは狭く感じる。
近距離で戦いたいホームのマグネッシと遠距離で捌いていきたいアウェーの力石。
力石には悪いが見ている私としてはこれまた燃える。
そもそもリングの大きさのルールは巾があるし階級による大きさも決まっていない。
ルールよりも小さくて亀ファウンダーが抗議したらしいけど素晴らしい。
以前も書いたけれど、私はボクシングで大切なのは距離感と思っている。
見ている側からすると 手数が出ないな とか ジャブを出さないと勝てない とか言いたくなる展開がある。
けれどそれは相手が距離を支配しているからだと思う。
その距離感というのは身長差とかそんな単純なものでは無いと思う。
今回の試合は正にその距離により優劣が明確に分かる展開だったと思う。
私の個人的なジャッジは以下の通り。
1rマグネッシ
2r力石
3rマグネッシ
4rマグネッシ
5rマグネッシ
6rマグネッシ
7r力石
8rマグネッシ
9rマグネッシ
10r力石
11r力石
12rKO
正直、3rは少し迷った。前半4rはマグネッシがハイペースで来たもののほぼ互角だったと思う。
だが、距離の支配、つまりやりたい戦い方が出来ているのがマグネッシだった。
マグネッシはフックだけでなく右ストレートがとても良かったと思う。
一方で力石はやや右ガードが低いのが気になった。
力石はハートが弱いとは思わないが打ち合いを好む訳ではないので嫌な展開が続く。それでも単発ながらも良いパンチも入れている。中盤は力石のジャブで、というかマグネッシが休む感じで距離が空くとマグネッシは何も出来ない感じだ。
力石のパンチも入っているしこれまた単発ながらボディにも入るので削れていれば、突進力が落ちるはず。
そうなると力石のペースになるかな?と思ったがマグネッシは中々落ちない。左右のフックに加えてやはり右ストレートが思った以上に伸びるし速い。印象的なパンチ、特に力石のツーワン(逆ワンツー)は良かったと思うがそこからが中々出ない。
見映えでいうとやはりマグネッシにポイントは流れている感じ。。
何となく8r?くらいだったかもだけど力石がスタンスを広くしたようにみえた。勝負に出たか?と思ったが展開は変わらない。
ヤキモキするような展開のまま終盤11rにドラマの布石が。
力石の左が見事に当たる。打ち合いに応じるマグネッシだがダウン寸前にまで追い込んだ。ボディも効いた。
そして、、、開始早々力石の右フックが炸裂。さらに追加で打ちレフリーがクリンチで引き離すとフラフラと倒れる。これはほぼダウンだろうが、そのまま再開。
が、時間が無いのでレフリーの再開までの動作がやけにゆっくりに見えて今更アウェーと思い出す。
力石は慌てることなく11rよりも丁寧に打ち左ストレートでダウンを追加。
何とか立ち上がるマグネッシ。けど、もうこれは無理だろう。それでも止めない。
レフリーはやっぱり忖度があるのだろうがそれならば陣営がタオル、と言いたいところだが残り1分を切っているとなると
それも厳しいのも分かる。
もしかするとこのまま倒しきれないのか?とヒヤヒヤしながらだったが何とかレフリーストップを呼び込んだ。
力石はややホッとしたような表情が印象的だった。
それにしてもこの試合は劇的だったな。
そしてとても感慨深い。
世界戦では無いとはいえ両者とも世界ランカー同士。世界王者にふさわしいかと言われると両者ともに、特にマグネッシは難しいようには思うが力石にとってはとても良い経験になった試合だろう。
日本人がSフェザーという階級で完全アウェーの敵地で最終ラウンドTKO逆転勝ち。
なかなか出来る事では無いと思う。
特に日本人が世界王者でも無ければ世界タイトルマッチでも無い試合。
報酬も多くなく手厚いフォローも無い中での試合。
ボクシングに限らずいやスポーツに限らずどんな仕事でもアウェーを感じることはあると思う。
そんな中で結果を出すという事。
それを己の拳で掴む。
是非とも次は世界戦へと向かう事を祈る。亀ファウンダーもアウェー状態が続くが何とか実現させて欲しいと思う。
とにかく力石選手本当におめでとう。そして最後に試合後にも関わらずすぐにイタリヤにまで駆けつけていた矢口選手、2人の兄弟愛にも触れることが出来て感動しました。
ありがとうございます。。。