昨日は、何となく思った事を書いた。その続き。

 

以前にも書いた事だけど、プロボクシングってスポーツなのか?

 

という事がある。殆どの人がスポーツと思っているだろう。

プロボクシングをある程度知っているような人たちは、プロボクシングはスポーツだけれども興行的な事が優先される事があるという事を理解しておかなければ楽しめない。みたいな風に思っていると思う。

 

昔、ボクシングに興味のない友人と話している時に、プロボクシングの説明をしていて通じないことがあった。

 

例えば

世界王者が何で複数いるのか?

団体が違うというのに、お互いの団体を行き来出来るのは何故か?

行き来出来るのに各団体でのランキングの順位が違うのは何故か?

ランキング1位なのに王者に挑戦出来ないのは何故か?。。。。。

 

こういった事を言われると、ボクシングファンとしては何と答えれば良いだろう?

殆どの人がボクシングは興行的な側面があってエンターテイメントの世界でもあるから、人気やお金が優先される事がある。。。

とか答えるのではないだろうか?当時、私はこんな感じで答えたら。。。

 

友人も私もスポーツが好きだったけれど、その友人は私の答え?に対してこう言った。

 

『そういうのはスポーツでも何でもない。組織がしっかりしていないならそれは芸能界みたいなもん。稼げるのが一番偉いっていう世界は閉鎖的でスポーツとは言わない。ジャニーズだぁ吉本だぁ、それぞれが好き勝手してるだけでそこで作られた世界や芸能人にキャーキャー言ってるだけ。同じように一芸に秀でた人が稼ぐ世界でも芸能界とスポーツ界の違いは、スポーツ界には管理・統括する組織があってルールがしっかりしている事。お前がスポーツの最低限の公平性が担保されていないようなモノに夢中になってる意味が分からないな。スポーツと思われている中では日本にしかないちゃらんぽらんな大相撲と一緒でそれはスポーツじゃない』とか

『ボクシングの世界王者って、結局、レコード大賞とかとあんまり変わらないな』とか。。。。。

 

返す言葉が無かった。。。プロボクシングが好きだと、この辺りを自分の中で咀嚼しておかなくてはならない。

そして、それは人によって妥協点が違うという事も理解しておかなければならない。

 

厄介なのは、自分の考え方が世間の常識のある考え方と思っている人。あるいは大多数の意見が正しいと妄信している人。

こういう人たちは、ただその時の好きか嫌いかの感情に左右されている場合が多い。

 

その時の感情で爆発する考え方は瞬発的なエネルギーとしては強いかもしれないが、そういう感情やモラルは抽象的で流動的だ。

例えば全く同じ事をしてもした人が違えば、それは負から正へと変わってしまう事さえある。

 

ルールとは違う。

 

勿論多数の意見というのは大切だとは思う。だからといって決められたルールがコロコロと変わるようでは興ざめしてしまうし、そこで一所懸命に努力している選手や現場の人たちは浮かばれない。

 

日本のプロボクシングには日本独自のローカルルールがある。誰しも記憶にあるのは井岡一翔のタトゥー騒動だろう。

日本ボクシングコミッション(JBC)のルールでタトゥーは禁止されており「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は試合に出場できない決まりがある。

 

これがローカルルール。でも実際は井岡は試合に出ている。ファンデを塗ればOKとかそもそも井岡がタトゥーを入れなければとかってのはどうでも良いと思っている。そうではなくて。

 

これがローカルルールならば、粛々と井岡の日本での試合を認めなければ良かっただけだと思う。至ってシンプル。理由も何も無い。ルールだから。

そして、当時、それをSNSで発信したのは井上尚弥だ。  『ルールはルール。』 

 

私は井上尚弥が好きとか嫌いとかって感情は無い。ただ、他の選手の事で騒動になっている時に発信した事に対しては、浅はかとかいうかちょっと正直アタマが痛い人なのかな?とは思った。

 

そして自身はこの後、非ボクシング?のレジェンド祭りにも出ていたしタトゥーと同じローカルルールで日本で試合が出来ないはずのネリの処分をちゃっかり事前に変えてもらって試合をするかもしれないという。。

 

。。。いや別に良いのだろう。ルールが変わったのだから。ファンも望んでいるのだから。みんな儲かるのだから。

 

ただ個人的にはプロボクシングがスポーツという側面もあるという事を大切にしてもらいたいと思う。

興行面も大切だが、ルールを捻じ曲げてでも優先するべきではないと思う。

 

ルールがあるからスポーツとして成立する。そしてその場その場でルールが作られるのもその場その場でルールがコロコロ変わるのもスポーツとは言えない。

 

こんな記事が。。。

昨年のJBC規定改定で、処分開始日から無期限は3年、取り消しは5年が経過すれば再申請が可能となった。ネリの場合は無期限のため、3年が経過していれば再申請が可能。ネリ本人やプロモーターらから日本での活動許可の申し出があれば、資格審査委員会で協議される流れとなる。処分後のネリの動向を注視してきたという安河内本部事務局長は「永遠に活動停止ということはない。申請があれば資格審査委員会で検討します。ネリ選手は米国などで試合しており、ずっと日本で試合ができないというのは常識的ではない」と説明していた。

 

そもそも何でネリは無期限で日本での試合停止になったのかな?ウエイトオーバーなら、その後ロドリゲス戦でもやらかしている。それでも申請されれば解除。。

 

たくさん書いたけれど、言いたい事は井岡が嫌いとか井上が嫌いとかそういう事ではない。

プロボクシングのルール。作るのならその時々の感情論に流されずに作って、そして運用して欲しい。

 

他のスポーツを知らなくてボクシングしか知らない人なら何も疑問が湧かずにそれで別に構わないのかもしれない。でもそんな人は滅多にいないだろう。

 

井岡や井上は日本ボクシング界では歴代でも名の残る選手の一人だと思う。

だけど、他のスポーツ選手みたいに素直に素晴らしいアスリートと認識しづらい。

彼らが悪いというのではない。プロボクシングのルールが適当だからそう見えてしまう。

いつまで経っても作られたチャンピオン。

 

『ルールはルール』 現役選手が他の現役選手に投げかけるのではなく、組織がプロボクシングに関わるもの全員に粛々と対処していって欲しい。

 

そして、、、もっと井上にとってネリが強いと思わせてくれる選手だったら良かったのにねw