コロナウイルスの出現によって、
ウイルスと言えば健康を損ねる悪いものだという考え方が定着したように思われる。
果たしてそうであろうか?
近年、胎盤形成に関わる遺伝子は自然な進化では説明がつかないほどに起源が異なっていることが分かってきた。
この謎を解明するカギとなるのが内在性ウイルスである。
ウイルスが動物に感染するとその遺伝子が宿主のDNAに取り込まれることがある。
つまり、ウイルスの遺伝子から胎盤形成に関わる遺伝子を取り入れていることが明らかになってきたのである。
ウイルスというと病気の原因というイメージが強いが、
遺伝子を運ぶという観点からは有用な遺伝子を運んでくる可能性もある。
胎盤以外にも生存に有利な形質の中にはウイルスがもたらしたものがあることが推測される。
野口整体では、
ウイルス感染症である麻疹・耳下腺炎・水疱瘡の3つの病気は、
子供の身体を発達させるために必要であると考えられている。
江戸時代、麻疹(はしか)は「命定め」と言われたように非常に致死率の高い病気であった。
しかし、いつしか、麻疹を子供の成長に活用し、その体を完成させている。麻疹が自然に経過していくと、呼吸器―肝臓の働きがキチンとしてくる。
肝臓―呼吸器のしっかりした発達が、その後の生殖器の発達の土台となる。
そのキッカケが、耳下腺炎(おたふく風邪)である。
耳下腺炎が自然に経過すると、子宮や卵巣、男の子なら精巣が成長して、急に女らしく、男らしくなってくる。耳下腺炎にかかって生殖器が発達する。
水疱瘡は自然に経過すると、股関節を通して腎臓が育ち、腰がすわった落ち着いた感じがでてくる。
乳幼児期に罹る麻疹・耳下腺炎・水疱瘡の3つの病気は、
子供の身体を発達させるために必要であり、自然に経過するといろいろな病気に耐えられる身体がつくられる。
今のコロナウイルスを異常に怖れている姿は、
生物進化や獲得形質という側面から捉えると、余りに一面的であり、かつ無知と言わざるを得ない。