そういうことは最期まで分からないものです。
紆余曲折があり、捨てる神あれば拾う神ありです。
きれいごとで世の中が進んでいけばよいものを、
そうは問屋が卸しません。
理不尽なことって、ゴロゴロと転がっています。
さて、朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。
蝉の声も聞こえなくなりましたね。
耳を澄ませばマツムシ、クツワムシ、ウマオイ、カンタン、
そしてコオロギや鈴虫の羽の音が優しく耳に響きます。
人の都合というのは身勝手なもので、これらの虫が
もし鳴かなければ、愛でる人も無く
(虫の音を愛でるのは日本人特有らしい)、屋内に
入ってくれば害虫扱いとされます。
哀れ、ゴキブリは羽を震わせて音を出すことが出来ません。
気の毒にも不快害虫として扱われて世間の嫌われ者。
殺生の対象になってしまいます。
こんな強力なもので秒殺ノックダウンです。
本当に、ゴキブリは生まれながらにして人とは
出会ってはならない生き物なのですね。
すまぬ、そう思いつつスプレーを噴射すれば
嗚呼、無情にも一寸の虫にも五分の魂、
殺めてしまいました。
黒ゴキブリの♀(かおりちゃん)です。
子孫を残せたのか、タイミング悪く、いきなり仰向けになって
死に掛けて現れました。
きっとブラックキャップを食べたのか、ゴキジェットプロの
待ち伏せ効果で瀕死だったのでしょう。
死後硬直。
もはやこれまでか…
すまないことをしてしまいました。
この子にとっての人生は、楽しかったのでしょうか?
来世は私がゴキブリになってやるから君は殺虫剤を噴霧したまえ。
生類に憐れみを感じる秋でございます。



