2016年 5月 4日。 GWを利用して、ニューヨークを旅しています。 ニューヨークを代表する美術館、MOMA と MET を見てまわった一日。 巨大な美術館の2本立てでさすがにちょっと疲れてしまったので、一度ホテルに戻って一息入れることに。 途中にある小さなドラッグストアで、バニラアイスをチョコチップクッキーでサンドした(カロリー大爆発な)アイスクリームと、サワークリーム&オニオンの Rays を購入。
ホテルの部屋でコーヒーを飲みながらアイスをムシャムシャと食べました。 甘いものを食べてなんだかホっと落ち着きました。ちょっと疲れてたんですね。 ちょっと落ち着いたら、顔を洗って着替えて、これからまた出かけます。 今夜は、「Sleep No More」 という不思議なステージを見に行きます! 向かうのは、ブロードウェイ… ではなく、Penn Station の裏手にある倉庫街。 ここにある一軒の廃ホテル The McKittrick Hotel が今夜の舞台です。
チケットは存在せず、観客はホテルのレセプションで身分証明書を見せて予約が入っていることを確認します。そして、上着や荷物を すべて 入り口のクロークに預けなくてはいけません。代わりに受け取るのは、白いマスクと、トランプのカード。
実は、このステージには、いわゆる劇場の舞台というものが存在しません。 お芝居はホテルの建物のなかのあらゆる場所で同時進行で繰り広げられ、観客は白いマスクをつけた 「アノニマス」 としてそこに参加するのです。
守らなくてはならない約束は 2つ。 ① マスクを取らないこと ② 絶対に喋らないこと これさえ守れば、ホテルの中を自由に動き回り、好きに行動して構いません。
ここからが、魔法の時間の始まり。 地上6階、地下1階の建物のなかにはいくつもの部屋や森、墓場などがあり、明るい場所もあれば、暗い場所もあります。そして、そのいろんな場所で、いろんな登場人物たちがシェイクスピアの 「マクベス」 をベースとしたひとつの芝居を演じ進めています。 最初はどこで何が行われているのか全体像がまったくつかめません。正直、ちょっと怖いし不安になります。わたしは、まず最初に出会ったシーンをきっかけに、そこからひとりの俳優さんのあとを追ってストーリーを追うことにしました。 ときに全速力で走る俳優さんのあとを追って、狭い通路や階段を走り下りたり上ったり、途中で見失ったり… お芝居を 「見ている」 のに、自分も動き回っているという不思議。 だけど、一緒に動き回りつつも、自分が俳優さんからは見えない存在である 「アノニマス」 であることを強烈に意識させられるのが、俳優さんたちの、観客の目をまったく気にしていない(ように見える)演技。 お芝居にはセリフがないので、すべて、彼らの演技とダンスで表現されるのですが、同じ部屋にいるのに、手に触れるくらいの距離なのに、俳優さんたちのいる世界と、観客のいる世界が、次元が違っているように感じるんです。異空間にいるみたいな。
詳しくはネタバレになるので触れませんが、頭の中のスイッチがパチン!って切り替わるくらいの非現実を味わうことになりました。 いま思い出しても、強烈な体験でした。奇妙な夢を見ているような気分だった。
19時の予約で入って、終演は22時。
3時間の間に、同じ芝居が 3回繰り返されて、ラストには全員が同じ場所に集まって物語の結末を見ることになるという構成です。 わたしは 1回目の途中で追っていたマクベスを見失い、2回目に再びマクベスを追い(そして結局肝心なところで見失い)、3回目にマクベスをあきらめてほかの登場人物を見て回る途中で、やっと、それまで見逃していたマクベスの肝心なシーンに立ち会うことができました。 だけど、同時進行であちこちで芝居は進行しているわけなので、結局は、見逃してるシーンがまだまだあるだろうし、すべてを把握し、理解することはできていないんだと思いました。セリフもないので、演技の解釈も観客次第だし。 なので、このステージは何人かで見に行ってバラバラに動き、終演後に各自の見たことや解釈などをワインでも飲みながら語り合う、っていうのがおもしろいんだろうなと思います。 今回は一人で見たので、パンパンに膨らんだ自分の脳内で、いろんなことを考えながら帰途につきました。
閉店間際だったけど、間に合ってよかった。 オーダーしたのは シャックバーガー Shack Burger と フライ Fries、そして レモネード Shack-made Lemonade。
夜道を歩いてホテルまで帰って、部屋でゆっくり食べました。 すこし冷めてしまっていたけれど、すごく美味しかった。思っていたほど脂っこく重たくなくて、人気があるのも納得。 それにしても、刺激的な体験だったなぁ。 舞台装置としてのホテルも雰囲気を盛り上げるし、俳優さんたちの演技もダンスも、ちょっと怖かったり、ワクワク、ドキドキさせる。そして、自分も能動的に動いて参加するという部分も加わって、アドレナリンが出るのでしょうね。 あんなことが街の片隅で夜な夜な行われているだなんて、やっぱりニューヨークって面白い。 好き嫌いはあるだろうけど、奇妙で少し怖い夢を見ているようなあの世界はなんだかクセになる感じがあって、あのステージを見に また NY に行きたいなって、思わせられてます。
Pod 51 1泊 約 $197
入場料 $91 (Sleep No More) バーガー $14(Shake Shack)
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